日本薬学会は明治13年(1880)に始まり137年の伝統をもつ。その学会誌「薬学雑誌」も古い。最古とさえ言えなくもない。
維新の後、明治6年頃から新聞と雑誌の区別ができてきて、明六雑誌(1874)、学芸志林(1877)東洋学芸雑誌(1881)など多数刊行された。しかし、多くは短命で続かなかった。医学関係では順天堂医事雑誌(1875)、東京医事新誌(1877-1960)、東京薬学新誌(1878)などがあった。
長く続いて今につながるものは順天堂医事研究会雑誌(1887)、成医会月報(1882,後の東京慈恵医大雑誌)、学会誌では、東京数学会社雑誌(1877、後に数学会と物理学会に分裂)、東京化学会誌(1880)、薬学雑誌(1881)などが古い。この中で唯一、文明開化の時代以来、名前も変わらず、21世紀もしっかりと続いているのが薬学雑誌である。
50年前にファルマシアが誕生して、会報誌としての役目は譲り、総説誌となったが、明治期には最新の薬学情報だけでなく、文字通り会員の動向を紹介していた。教科書、成書で見る歴史からではなく、当時の一次資料の記事からは些細だが新しい発見もある。
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