久しぶりの薬理学会。
30歳のころからずっと薬理を専門にしていたのに、
2005年、2006年(いずれもパシフィコ横浜)以来、参加していなかった。
もう13年前だ。
2006年以降、年に一度の学会参加は、Biophysics 6回、生理学会 3回、薬学会 3回など。
会場の大阪国際会議場グランキューブは、2004年にトキシコロジー学会で来ている。
そのときを思い出しJR福島駅から歩く。
以前の大阪らしいごちゃごちゃした感じがなくなっていて、ちょっと寂しい。
堂島川を渡る。
そうそう、グランキューブの隣はリーガロイヤル。
明治天皇聖躅の碑あり。躅はチョクと読む。踏むという意味。
昔の人は知っていたのかな?
リーガロイヤルはずっとReagaだと思っていたら玄関正面のつづりを見るとRihgaだった。
へー、初めて知った。
何語だろうと思ったらRoyal International Hotel Group & Associatesの略だという。
でもこれだとロイヤルがダブるではないか。
1935年に大阪で創業、外資系と思っていたのは私だけ?
グランキューブ着、知っている人がいるかどうか、少し緊張。
会いたいような会いたくないような。
以前来た時の記憶がほとんどない。
このエスカレーターは記憶ある。
あのときは安全性薬理に異動し、hERG試験が喫緊の問題で情報収集に来た。東松山のCROで電流を測っていた鶴渕さんに会った。東大を退官して国立衛生試験所の所長になっていた長尾さんは法規制する側から参加していた。
学会の合間に司馬遼太郎記念館にいったのはこのとき。
数年前から他の学会もそうだが、ポスター、演題が減っている。
年寄りになって仲間が引退し、知っている人がいるかな~と心配していた。
しかし老人になって目立つせいか、すぐ懐かしい顔に会えて、いろんな人と話をした。
12階のおしゃれな会場
(私より若い)知人が偉くなって発表していた。あまり変わっていなかった。
小林さんこそ変わっていないですよ、と言ってくれたが、どう見てもおじいさんの外見であるのは自認している。
円形会場の外側は映画館のように回廊になっている
水と柱。
ビルの中にこういう空間があると全体に品が出る。
梅田方面
東京なら建物から地図が浮かぶのだがここはだめだ。
上からの眺めは、知っている土地だからこそ、面白いのだと思った。
西、神戸の山々
南西方面
正面はリーガロイヤル。
左堂島川、右土佐堀川、中の島が島だというのが分かる。
このシャッターを押してくれた人は田辺で昔一緒に実験していた人。
優秀だったが、研究所を出て、オープンイノベーション関連の部署に変わっていた。
今回、製薬企業が手掛けるデジタルヘルスのシンポジウムがあった。
・精神疾患ADHDを治療するためのゲームアプリ、
・文字を読んで音声に変換するメガネ、
・加速度センサーを入れた添付パッチによる患者行動記録装置、
・スマホで食事を写すとカロリー自動計算、記録、食生活の提案するアプリ
・トイレに置く尿検査キット
など、
製薬会社は粉末や錠剤の、つまり普通の医薬品とは違うものを商品として開発し始めている。
この分野は現在の研究員では全く手に負えず、IT業界などからの中途採用に頼るか、アイデア公募のオープンイノベーションが必要になる。
通常の医薬品も大学やベンチャーから種を買うことが主流となり、自社起源のものは少なくなった。
すなわち製薬会社の従来の研究所は縮小傾向にあり、はやめに研究所を出て、オープンイノベーションの目利き役に転じた彼女は賢明だと思った。
0 件のコメント:
コメントを投稿