2021年4月12日月曜日

神田川1 万世橋と昌平橋から聖橋まで歩く

4月4日、秋葉原に来た。
すっかり変わった秋葉原で、1974年高校3年以来の、いくつかの記憶を引き出した。
(別ブログ)
電気街から西のほうに歩くことにする。

2021‐04‐04 13:48
中央通りを渡って秋葉原電気街を振り返ると総武線が通った。

南の万世橋を渡る。
前回来たのは2017年、千駄木から自転車で日本橋まで行った時。(別ブログ)
最初に渡ったのは1975年、初めてのデートで畑さんと上野公園・広小路から歩行者天国を散歩していたら銀座まで行ってしまった。
万世橋
この名の橋は1873年(明治6年)、江戸時代の筋違橋と桝形門が壊されるときにその石を使って作られた。九州に多い眼鏡橋の技術者が招かれたという。石だからよろづよ橋と名付けられたが次第にマンセイ橋と呼ばれるようになった。
しかし筋違橋はここではない。
江戸絵図(安政6年)
筋違御門橋、昌平橋の内側は八ツ小路という広場になっていた。
数えれば9本の道が入っている。
中山道はここに入って昌平橋を渡る。

明治10年
その1873年、すぐ上流の昌平橋が洪水で流され、万世橋(筋違橋のところ)の下流に仮の木橋が作られた。
明治10年の地図を見れば今の万世橋の場所に昌平橋とある。

明治29年(1896)昌平橋が復旧した。
明治36年(1903)仮の昌平橋が撤去したあとに万世橋が架けなおされた。
1906年、筋違橋のところにあった元の万世橋は撤去され、現在の位置関係になった。

13:50
今の橋は関東大震災(1923)で被災した後、1930年に同じ場所にかけなおされたもの。
西を見れば昌平橋が見える。

13:52
中央線のガードを見上げながら万世橋を渡っていたら、まさかの「肉の万世」。
万世とは橋の名前だから、そこに「肉の」とつけるのは変な店名だが、社名は「万世」だから仕方ない。創業した鹿野明は、戦後秋葉原電気街でヤマギワに勤めていて、鹿野無線に独立するも売り上げ不振、1949年、精肉・コロッケ商「万世」へ業種転換したという。

大宮から川越に行く国道16号の万世でこま切れ肉と玉ねぎを炒めた鉄板焼きが好きだった。
30年も前だがまだあるのかな?

渡れない道路のむこうをしばらく見つめ、ふとこちらの道端に目を戻したら、万世のカツサンドの自動販売機があった。700円だったが、5千円札しかなかったこともあり買わなかった。

中央線のガード下はカフェなどが入っている。
マーチ・エキュートという。
通り抜けできるのかな? 駅のエキュートと違いおしゃれすぎて入らなかった。
煉瓦の壁に沿って外を歩くと途中、旧万世橋駅というドアがあった。
1935階段、2013プラットホームと書いてある。

13:54
万世橋駅に鉄道博物館(のち交通博物館)ができることになり、近い出口として1935年に作られた階段。万世橋駅は1912年開業、都心から新宿、立川方面に行く列車の起点として重要な駅だったが、東京・上野間、東京・万世橋間が開通して近くに神田駅、秋葉原駅ができると役割を終え、1943年に廃止された。

階段を上がるとプラットホームのように線路と並行したデッキ。
「2013プラットホーム」というから、2013年にできたのだろう。
神田川側に行き止まりの線路、南側は中央線快速の線路がある。

13:58
13:58
お茶の水側の古い階段を下りて外に出ると「1912階段」と書いてあった。
開業時はこちらの階段だけだったのだろう。

交通博物館は2006年閉鎖され、跡地(道を挟んだ南側)にはJR神田万世橋ビルが2013年竣工した。

14:01 昌平橋
左中央線、右総武線
国道17号は万世橋だが、旧中山道は昌平橋を通る。
東を見れば万世橋が見える。

実は昌平橋駅というのもあった。
明治45年 最新番地入り東京市全図
当時は中央停車場(のち東京駅)が建設中で、新橋と上野の間に駅はなかった。(秋葉原は貨物駅)
甲武鉄道(明治39年国有化)はお茶の水まで来ていたが、明治41年(1908)東に伸び、昌平橋停車場が終点となった(上図中央)。すなわち都心から西へ向かう始発駅で、かつ都電の路線も集まっていたから、交通の要衝だった。地図の停車場前広場には万世橋側に広瀬中佐銅像と書いてあるが、杉野兵曹の像もあった。

しかしその4年後、さらに東に延び明治45年万世橋駅ができると、昌平橋駅は閉鎖された。
さらに伸びて万世橋駅も閉鎖されたのは先に書いた。

14:04
昌平橋を過ぎるとすぐに淡路坂

これだけ近くで電車の底を見られる場所は少ない。
石が飛んできたら危ない。
淡路坂は神田川を挟んだ北側の昌平坂と並行しているから、両者を相生坂ともいう。

14:08
湯島聖堂などを見ていたら、赤い丸ノ内線が神田川を渡った。

御茶ノ水駅は近い。
わざわざ昌平橋駅、万世橋駅と、ほんの少しずつ伸ばしていった意味が分からない。

坂を上りきると左にお茶の水ソラシティ。
キョーリン製薬、小尾氏の好意で見せてもらった高層階からの絶景は以前書いた。

2021‐04‐04 14:11
御茶ノ水駅の工事はまだ続いている。
すっかり新しくなった聖橋のむこうに、新しい東京医科歯科大のビルが見えた。

初めて東京を歩いた高校3年の夏の日、聖橋を向こうから渡ってきて、たまたま目に入った千代田予備校にもぐりこみカレーを食べた。




千駄木菜園・お出かけ 目次へ  (ご近所から遠くまで



0 件のコメント:

コメントを投稿