子どものころ長野ではモロコシと言っていたな。省略語だろうか?
そもそもモロコシは唐土。
今のトウモロコシは新大陸からヨーロッパ、大陸(カラ、唐)経由で16世紀に入ったとされる。その時、モロコシ(タカキビ、高粱コウリャン?)に似ていたから名付けられたと思われるが、これも大陸から来たということは忘れていたのだろう。
我が家のトウモロコシは昨年ハクビシンにやられ、出来の悪い株、2,3本しか残らず、少し味見して翌年用の種を残しただけだった。
今年は春、そのときの種をまいたが、発芽率悪かった。
4回にわたって合計56粒まいて、35芽出て、そのうち育った苗が25本。
25本を27センチ間隔で3列に植えたが、その後の育ち方はまちまち。
2021‐06‐10
支柱をたてる代わりに、ファンシーケースの骨組みをかぶせた。
外側の不織布が破れ、鉄骨が不燃ごみになるところを再利用している。
同じような種をまいたのに、これだけ大きさが違う。
発芽してからの成長速度も違った。
ヒトは2000グラムから4000グラムまで、生まれた時はバラバラでも最終的には同じような大きさまで育っていく。
しかし植物は苗の時の大きさが最後まで影響するようだ。
いい種を選ぶという大切さ。
とくに市販の種でない場合は注意せねばならない。
2021‐06‐19
雄花が出てくる。まだ雌花は影も形もない。
なぜ同時に出てこないのだろう。
自家受粉しないように、ほかの株と交配することが目的だろう。
自家受粉は同じ体細胞からできた精子と卵子が結合する。体細胞染色体の片方に傷があった場合、子は健全、片方傷、両方傷が1:2:1となる。4分の1はその遺伝子が働かないということだ。
他家受粉の場合、となりの株は同じ房が土に落ちて発芽したものだから同じ親から出たきょうだいによる受粉となる。傷がホモ(上の計算で両方傷)になった株は育たず除外できるとすれば、周辺に育ったきょうだいの3分の1は健全、残り3分の2は片方傷となる。
きょうだい受精の組み合わせと確率は
健全・健全が1/3・1/3、
健全・片傷が1/3・2/3と2/3・/1/3、
片傷・片傷が2/3・2/3
しかし片傷の個体同士が受精したなかで両方傷が生まれる確率は4/9のなかの1/4で、1/9となる。
傷が重なる確率、自家受粉の4分の1ときょうだい受粉の9分の1の差が、他の環境の圧力の差と比べ大きいかどうか?
環境と比べあまり大した圧力でないため、自家受粉の植物が多いのだろう。
自家受粉と他家受粉をきめた植物の特徴はなんであったか、知りたいものだ。
2021‐06‐26
雄花は雄蕊(おしべ)の先がちょこんと外に出ている。
稲の花に似ているが、イネはその中にめしべがあり、開花前に同じ花で受粉する。
遺伝子の傷が重ならないように進化したとすれば、
無性生殖から有性になったあと、
同じ花: イネ
別の花: ウリ科など雄花、雌花がべつ
別の個体(きょうだい): トウモロコシ、猫?
別の個体(他人): 好み、タブーが入ってきたヒトなど
と進化したのだろう。
2021‐06‐27
コガネムシが雌花のひげ(絹糸、長い雌しべの花柱)を食べていた。
写真では切れて散らばったひげが見える。
モロコシ属、サトウキビ属とも違う。
祖先はイネのように同じ花で受粉していて、そのうち穂がいくつもある個体ができ、違う穂で受粉するようになってから、雄と雌の穂に分化(キウリ)、そのあと他家受粉するよう(出穂の)時間差ができたのだろう。
2021-07-22
雌花は複数出ても最初の1つだけを大きく育てるために、他は取り除く。
この株は同じ股から2つ出て、小さい雌花が4つも出た。
2021-07-22
取り除いた雌花はベビーコーンとしてゆでて食べた。
触ってみて硬いものの皮をはいで実があったので収穫。
2021‐07‐26
上二つは25本のうち、最も優秀なもの。下二つは下部に通じるひげのみ受粉に成功、根元のみ実になっている。しかしこの不完全トウモロコシでさえマシなほう。他の株は莢が膨れてさえいない。
25本も植えて知人に差し上げることもできないとは。
今まで4回作ってきてトウモロコシは難しい。
珍しくスーパーで買うものより旨い。ナス、キウリ、白菜、キャベツなど市販品に負ける千駄木菜園としては例外といってよい。
しかし2本だけとは。
2019年に長野と与野ビバホームから1鉢ずつ買った苗の子孫だが、品種は不明。
いい種をとって、来年こそは、おいしい、といろんな人に言わせたい。
20200710 文京区にもハクビシンか? トウモロコシが
20190717 長い梅雨にトウモロコシ収穫
20180715 受精しなかったトウモロコシ
0 件のコメント:
コメントを投稿