2018年7月15日日曜日

受精しなかったトウモロコシ

連日の猛暑。トウモロコシ。毛は枯れてきたが、実を触ってもスカスカ。
日当たりが悪いせいか背丈は1メートルにも満たず、大きくなる気配もないので収穫してみた。


2018-07-15
キウリと比べても小さいのは仕方がない。
しかし皮をむくと、なんと、初めてみる奇妙な姿。
黄色い実が根元の方にごくごくわずかしかない!
残りは受精しなかった模様。
隣に実がないから横に広がり、なぜか窪んでいる。
普段見るトウモロコシの粒の形は、隣の粒と押し合うことでできるものと判明。

トウモロコシは今年初めて作ってみた。
 
2018-04-20
4月に2本出ている鉢を1つ買ってきて株分けした。
教科書的には根が傷むから片方は鋏で切って、1本だけ育てるのだが、信用せずに(もったいないから)2株育てた。
 
2018-06-03
雄花出る。しかし雌花はない。
2018-06-08
驚くことに、わずか数日後、すぐに雌花が出てきて毛を伸ばしている。

この毛(絹糸)はめしべで、粒の元につながっている。つまり粒の数だけ出ている。絹糸は、トウモロコシの下の方の粒から先に伸びていくから、下の方から受精が始まり実が詰まっていくらしい。先の方に実が入らないこともあるのはこういうことか。

雄花が出たときに自分の雌花が出ないということは、トウモロコシは他家受精だろうか。
実際、自家受精もするらしいが、効率が悪いらしい。
風媒受精だけでは不安なので、一本の雄花を切り、はたきのように、2本の雌花の絹糸をそっと叩いた。
この長い絹糸を花粉が移動するのはどういうメカニズムか? 神経の軸索輸送のようなものか。

一本の茎には一つの実(雌花)だけを残し、残りは切った方がよいと言われる(芽かき)。
よく見ると雌花の下に、小さなものがもう1つ出ていた。
(普通、上の方に次の雌花が出る気がするが、反対だった。意外!)
我が家は日当たり、土に自信がないので、これは他人の言うことを信じて摘み取った。
2018-06-24
絹糸は枯れてきたが、ここからほとんど成長しなかった。

結論:トウモロコシは難しい。
それでも、作ってみて良かった。あんなできそこないでも(できそこないだからこそ?)、アメリカ先住民の遺跡で展示されていた野生種や、ディズニー映画ポカホンタスのトウモロコシ畑を思い出すこともできた。

長野にいたころ夏は毎日おやつで食べた。分家のお嫁さんキヨちゃんの実家、信州黒姫のトウモロコシは我が家のものよりずっと甘かった。私はハーモニカのように汚く食べていたが、祖母は手で一列ずつ剥いて口に入れていた。

わずかばかりの実は来年蒔いてみようか。
今度は受精しやすいよう密に何本も植えなくてはならない。

野菜つくりは、自分の目でほんのわずかなことを確かめるだけで貴重な1年が経ってしまう。この調子だと、農家のようなものができる前に、私の寿命は尽きる。
まあそれでもいい。何事も経験。知ることが重要。


0 件のコメント:

コメントを投稿