2022年10月11日火曜日

イチジクは年に2回実が付く

 

2022‐09‐22
昨年の秋、道灌山通りの路上に「ご自由にお持ちください」と出ていたイチジクの鉢2つ。
庭に植えておいたら、春、その古く曲がった枝に実がなった。夏果である。

一本は日陰だったため元気がなく、実も落ちてしまったが、もう一本は新しく枝がすくすく高くのび、そこにも実がなった。
秋果である。
2022‐09‐22
新しい枝についた秋果

イチジクは世界中で長い歴史を持つ。日本では江戸時代から庭木として栽培されていたようだが、経済栽培は大正時代かららしい。挿し木で増えることもあり、栽培品種も多い。
品種によっては、秋果のみ、夏果のみのものもある。
 
・夏と秋の2回収穫できるもの(ドーフィン・ホワイトゼノアなど多数)
・夏にのみ収穫できる(キング・ビオレドーフィンなど)
・秋にのみ収穫できる(蓬莱柿・シュガーなど)

この拾ってきたイチジクはどれだか分からぬが、夏秋2回実が付くから、日本で最も多い(愛知県など、国内の8割を占める)ドーフィン種であろうか?

私が一番最初に(2017年春から)育て、サクラの日陰でまともな実がなる前に2020年カミキリムシにやられて枯れてしまったのもドーフィンであった。
これは広島県の種苗業者・桝井光次郎がアメリカから苗木を持ち帰り、日本で育苗したもので、「桝井ドーフィン」ともいう。

さて、我が家の拾ってきたイチジクの夏果は柔らかく熟していたので、収穫した。
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食べてみると、ほんのり甘いがまずい。

調べると、夏果は秋果より大きいが、そのぶん水分が多く、甘さも薄いらしい。
一般栽培では、夏秋2回なる種であっても夏果は摘果してしまい、小ぶりだが収量も多く糖度の高い秋果のみを収穫するらしい。(夏秋兼用種)

2022‐09‐28
生食がイマイチなので干すことにした。
水分が減れば甘さが増すかもしれない。
2022‐09‐29
また、パンに練りこむなら甘さは少なくとも良い。
私の最も好きなパンは、チーズと乾燥イチジクの入ったパンである。

いま我が家にはイチジクが3本ある。
カミキリムシで1本が枯れた後、路上の2本を拾ってきたが、葉っぱだけでイチジクと断定できなかったため、また、実がなる保証がなかったため、退職前の伊奈町のコメリでちゃんとした苗を1本買ったのである。
買った苗は「日本種」という。
日本種というのはおかしな品種名だが、江戸時代から栽培されている蓬莱柿(ほうらいし)のようだ。 福岡県など西日本で主に栽培される歴史の長い品種で、最も古くから栽培されてきたことから「在来種」「日本いちじく」「日本種」ともよばれる。国内で2割を生産するから、桝井ドーフィンとこれで、イチジクのほとんどを占める。完熟すると果実の尻の部分が星形に割れるというが、拾ってきてドーフィンと断定した株の実も尻が割れていた。

ただ蓬莱柿は秋果専用種である。買ってきた「日本種」のラベルには、夏果(7月、90‐100g)、秋果(8‐11月、50‐100g)とある。はて?
2022‐09‐22
我が家の4本目のイチジク。

さて、4本目のイチジク「日本種」は植えるところがなく、端っこに仮植えしておいたら庭中覆ったサツマイモの中に埋もれてしまった。
よく見ると葉っぱが5つでなく3つに割れている。切れ込みも浅い。
明治以降のドーフィンなど輸入品種は5つに割れ、在来種は3つに割れるらしい。

日本種すなわち蓬莱柿は日本原産なのか、江戸時代に中国あるいは南蛮から輸入されたのか、はっきり分かっていない。日本原産のイチジクなんてあるのかと思ったら、イヌビワ(Ficus erecta)というクワ科イチジク属の落葉小高木が日本在来植物らしく、ここから品種改良されたものかもしれない。ちなみに野生のイヌビワは病気に強いが、接ぎ木用台木には使えず、イチジクとの種間雑種をつくって台木にしているという。


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