2018年3月30日金曜日

ウナギの稲毛屋

1年前に入籍した長女夫婦が3月21日、結婚式を挙げた。
その三日後、ご祝儀を取りに来た二人と稲毛屋で食事。
近くのキツネ坂を降りた不忍通りにあり、うなぎで有名。

千駄木に引っ越した年に一度ランチに入った。
うな丼1380円という安さだが当然小さかった。ギリギリのサービスということは分かったが、もう少し大きくして2000円くらいでもよかったのではないか? 鰻なんだから。

それ以後、一度も入らなかったのは、夜使おうと思っても、鰻より各種地酒の店として知られていたから。
前を通ると、「大吟醸○○入荷しました」「本日貸し切り」などと貼り紙がいつもあり、酒を飲まない私には敷居が高かった。
しかし、家から近いのと、彼らがウナギを食べたいというので予約。
2018-03-24
二階の半個室は、適度に庶民的で落ち着き、いい感じ。すいていた。
この店は昭和2年創業、今年で91年になる。
戦前はよみせ通りで鳥と鰻の販売を、戦時中は行商、戦後に今の場所で食堂を開業、2008年に改装したらしい。


2018-03-25
現店舗(写真右端)の並びに「やさい 八百たね くだもの」「鶏肉 稲毛屋 うなぎ」と二軒、廃業商店のような建物がある。二軒は電話番号が違うから別の店だったのかもしれないが、現在は両方とも稲毛屋が仕込みなどに使っており、大皿やダンボールを持った店員さんが、歩道を行き来している。

看板に見える 03-3822-3495は、今の稲毛屋の予約するときの電話番号であるから、稲毛屋の所有であることは間違いない。

その仕込み用の店はガラスケースが歩道に面していて、かつてはここで焼き鳥やウナギの串を売っていたのだろう。ちなみに稲毛屋は今でも鶏肉料理が得意である。

市内局番が4ケタになっているから、少なくとも看板は1991年以降にできたものだ。
つい最近じゃないか。それがマンションに埋もれ、こんなに古臭くなっている。

ところで私が谷中にいたとき入れた電話は 03-828-1398 だった。
研究室の先輩が変な語呂合わせを作ってくれたからまだ覚えている。
この電話を入れるときは、団子坂上の駒込電話局に行った。
平塚らいてうの青鞜が発行された物集邸の跡である。今は電話局もマンションに変わっている。

2013年、千駄木への引っ越しは、過去に戻るのが目的の一つなので、電話番号も昔のものを取ろうとした。上記番号が「現在使われておりません」と確認してから、電話局にこの番号が欲しいと申し出たら、お客様はIPネット電話ですのでこの番号が使えません、とあっさり言われた。当時は様々な問題でバタバタしていたこともあり、努力せずにそのまま何の変哲もない数字の並びを受け入れてしまった。


2018-03-25 稲毛屋前の不忍通りから上野方面を見る。

谷中を出てから37年。
不忍通りの両側はびっしりマンションが並び、まさに谷間を車が走っている。
左は西日暮里駅にむかう道灌山通り。
一区画だけ駐車場になって奥が見えるから、不忍通りのマンションがいかに板壁のようになっているか分かる。

この絶壁の裏は昼が半分しかないのではないか。特に西側は、東がマンション、西が本郷台地の崖だから、日照時間が短い。

文京区よ。他の区よりも規制を緩くして業者を儲けさせるより(まさか癒着じゃないでしょうね)、住環境をこれ以上悪くしないでくれ。


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