決算は2016年、その数字を使う2015年度版が一番新しい。
頭にランキングが残っているのは2007年、『新薬誕生』を訳していたころだから、8~9年ぶりだろうか、久しぶりに見て驚いた。
いつも合併のニュースでにぎわすファイザーがトップなのは昔と同じ。
ノバルティスもここ数年調子が良いので、予想通り。
3位のロシュがちょっと意外。90年代から続く有名メガファーマ同士の派手な合併には出てこなかったが、2009年のジェネンテック、2014年インターミューンと、バイオ医薬企業の買収、診断薬への進出、着々と布石を打っている。古典的な低分子医薬と導入品に頼る日本メーカーとは違う。
ノバルティスもあわせスイス勢がすごい。ドイツの研究者が支えているのだろうか。
4位サノフィはヘキストだけでなく、元いた会社のヘルベッサーが導出されたマリオン(メレル・ダウと合併)、導入品の調査をさせられたローヌ・プランなど多数の会社を飲み込んでいる。ドイツアメリカの会社が入っていてもフランス国籍になっているのはフランス政府の力を見せつける。
5位メルクは私が就職したころは世界一だった気がするが他社が合併を続ける中で順位を落として行った。シェリングプラウとの合併で戻した感じ。でも大きければいいというものではないから。
ギリアドなんていう名前はかつて聞いたことがなかった。1987年創立。1999年FDA承認のタミフルはここが開発。これはロシュに導出されたが、抗ウィルス薬に強いことが分かる。その後は自社販売も始め、爆発。 2013年から19位、9位、6位と伸びている。順位以上に売り上げの伸びがすごい。C型肝炎治療薬が2兆円近い。日本国内だけでも4200億円。
2007年当時唯一1兆円を超えたファイザーのアトルバスタチンが最初で最後と思っていたのだが、一つ薬を作ると、ほんとに地図が変わる。人数が急に増えたといっても8000人。何万にもいるメガファーマをあざ笑うかのようだ。
7位JnJ、ここはレミケードのセントコアを傘下に入れたところで、「新薬誕生」でずいぶん社歴を調べたから愛着がある。
8位のGSKは、2007年ころはファイザーと競っていたのだけどね。
9位アストラゼネカ。ここも「新薬誕生」で調べた。でもオメプラゾールの特許対策で光学異性体を新薬並みの薬価にしたことでちょっと私の抱くイメージが下がった。
10位のアッヴィはアボットの新薬部門が独立、すっかりバイオ医薬品メーカーに変身し、いい位置にいる。
11位、バイオのアムジェン。1980年3人で出発したという。
ジェネリックメーカーとして有名なテバが12位、これも10年前は考えられなかった。
13位リリー、14位BMSはもっと上だったんだけどね~
ノボ、バイエルに続き武田が17位。ミレニアムやナイコメッドを買収しても世界は遠い。90年代の筋肉質だった企業が、中途半端に膨張して良さがなくなったように(外部からは)見える。
参考:研ファーマ・ブレーン
http://www.risfax.co.jp/beholder/beholder.php?id=699
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