2026年5月5日火曜日

レンタサイクルで備中国総社宮にゆく


4月22日、急遽岡山県に来て、備中松山城をみた。
前回三重県のときは出発前に訪問すべき都市を決め、各駅の到着、出発時刻まで調べてから訪ねた。しかし今回は突然のことで計画を立てる暇がなかったこともあるが、訪問先を決められなかった。

駅から離れたところが多く、どのくらい時間がかかるか分からないから計画など立てようがない。行ってみて、夕方までの時間を計算しながら行き先を決める旅になった。
一人だと便利だ。

朝、岡山、倉敷を通って、一番の目的地だった備中松山城をみて備中高梁駅に戻ると11:25になっていた。急いで乗った列車は高梁川に沿って山間部を南下するとやがて岡山らしい広い平野に出た。

総社駅に下車。11:50。
この駅の東側にいわゆる吉備路が広がるはずだ。
田んぼの中に五重塔が浮かぶ、美しい風景はよく写真になっている。
ここからレンタサイクルであちこち回ろうと思った。
12:06
JR総社駅と借りた自転車

荒木レンタサイクル(JR総社駅前)
・軽快車(ママチャリ):1,500円
・スポーツ車:2,200円
・電動自転車:2,800円
・乗り捨て:+500円(借りた場所とは別の以下の2店舗へ返却)
JR備前一宮駅:ウエドレンタサイクル 
備中国分寺近く:高谷レンタサイクル
営業時間:9時から17時

備中高梁からの電車の中でずっと迷っていたことは、鬼ノ城(きのじょう)に行くかどうか。
この城はどの文献にも出てこない謎の山城でありながら日本100名城に選定されている。
写真を見ればアニメ「もののけ姫」のたたら場のモデルとなったような山城である。
行ってみたいが、すでに備中松山城で2時間の登山をした脚が再び山道に耐えられるかどうか。途中で痙攣するのではなかろうか。
電動自転車ならいけるかもしれないが、長い上り坂で電池がなくなることはないか? かなり離れた鬼ノ城に行ったら他の名所に行く時間はなくなるのではないか? などと大いに迷った。

ところが、荒木レンタサイクルのにいちゃんが、こちらは何も言ってないのに
「鬼ノ城へ電動自転車で行く場合、○○から先へは行かないでください。行ったら罰金5,000円いただきます」
といわれた。モーターが焼き切れるのかな?
ま、これで鬼ノ城は行かないと決断できた。

行かないと決めると吉備路サイクリングの行き先選びに余裕ができ、時間的にも体力的にも楽になった。
標準サイクリングコースには入っていないが、まず以前から気になっていた総社宮にいくことにした。
のどかな吉備路でなく、街中の道を走った。
予定はないといえど、あとで時間が無くなると困るので飛ばした。

最近レンタサイクルをよく借りるようになったが、どこでも自宅の自転車と違ってよく整備されていて気持ちがいい。

8分で到着。
12:14
石柱は「県社総社神社」
その最初の「社」の字が消されている。社を3つも使っているから減らした?(冗談)。
県社というのは明治以降、戦前までの近代社格制度で官社(官幣・国幣、大・中・小)218社の下に位置し、諸社(県、郷、村)の一番上だが、全国約11万社のうち最終的な府県社は1,148社もあった。(郷社は3,633社、村社は44,934社、残りは無格社)

それよりも備中国総鎮守という肩書がすごい。
家のそばの駒込天祖神社は駒込村総鎮守(村社)である。

入口は期待したほど大きくなかったが、進むと参道が屋根付きになっていた。
12:15
平日だったがお宮参りの家族がいた。

総社というのは全国にあった。
前橋の上越線に群馬総社駅がある。
岡山は伯備線に総社駅、吉備線(桃太郎線)に東総社駅がある。

この神社のすぐ裏に駅があるのに東総社駅となってしまったのは、幹線でもある伯備線の総社駅が先にできて駅名を取ってしまったからだと思っていた。しかし調べたら、そちらは1925年2月「西総社駅」として開業し、いまの東総社駅は1904年総社駅として開業していた。ところが1959年、総社駅が東総社駅、伯備線の西総社駅が総社駅と改称した。そんなことをしないほうが良いと思うが、山陽本線からの乗り入れ列車もある西総社を総社市の代表としたようだ。
大きな木々や背後の山はないが、確かに境内は広い。
12:17
祭神は大国主命(出雲の国造りの神)と妻の須世理姫命の2神に、備中国内大小304社の神々、さらに相殿神として御鎮魂八柱神 、つまり合計314柱の神々、さらに摂末社が12柱である。
この祭神の多さこそが総社である。

律令制において、国司着任後の最初の仕事は赴任した国内の定められた神社を順に巡って参拝することであった。しかしその煩雑さから平安時代になって国府の近くに総社を設け、そこを詣でることで巡回を省くことが制度化された。

説明板には備中国内大小304社の神々と書いてあるが、実際は304の神社というべきであろう。大国主の命、素戔嗚尊などは重複しており、神々の数は数十~100程度といわれる。
今年しめ縄を自分で作ったから、大きな注連縄をみるとどうやって作るのだろう、とつい思ってしまう。
12:18
屋根付き参道は本殿から三方に延びている。

総社の多くは国司の派遣がなくなった中世(鎌倉、室町)に廃れたが、後に再興されたものも多い。しかし再興されず、どの神社が総社だったのかわからなくなってしまった国もある。

名前については岡山だと美作総社宮(津山市)備前国総社宮(岡山市)、備中国総社宮(ここ)が名前とともに残っている。
しかし、武蔵の総社は府中の(=国府の近くの)大國魂神社であり、下総は市川の六所神社である。(六所の名前自体が6つの神々、あるいは6つの神社を合祀したという意味)。

社格は武蔵府中の大國魂神社が官幣小社に列するが、多くは県社、郷社どまりである。やはり、オリジナルでなく簡略化のため二次的に作った神社の社格は高くはない。
12:19
池は岡山藩池田家が後楽園を作るときに参考にされたとされるが、こちらに作庭の知識がなくよくわからない。

さて、昔から地図を見て気になっていた「岡山の総社」がどういうものか分かったので、次はいよいよ吉備路サイクリングに出発する。

(続く)

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