2026-07-03 10:44
梅雨の合間の曇り空。今年二回目の生垣の剪定をした。
突然、右手親指の背中(指紋が無いほう)に痛みを感じた。とげが刺さったかと思ってみたが何もない。
そのまま作業を続けていると、毛虫がいた。
ウミウシのような形と鮮やかな色は、以前も見たような気もするが思い出せない。
10:59
AIに聞いたらヒロヘリアオイラガ(学名: Parasa lepida)という。
漢字で書くと広縁青毒棘蛾、チョウ目イラガ科の昆虫。
イラガという蛾がいるのか。
漢字を見るとイラガは毒棘蛾である。つまり毒棘がイラとなる。
イラとは何か?
数年前まで薬理の講義を担当し、皮膚疾患のところで蕁麻疹について毎年話した。
私は教科書というものは教科の方針と概略を示すもので、試験の前に復習するには良いと思う。しかし教科書を暗記するという勉強は少なくとも大学生はするべきではない。だから講義ではなるべく教科書に書かれていないことを話すようにしていた。
たいてい病名から話し始めた。
すなわち、なぜ蕁麻疹というか、と講義を始めたものだった。
大人数が相手だと一方的に自分で答えなくてはならない。
蕁麻疹の「蕁」はクサカンムリだから植物である。蕁を調べるとイラクサ。
イラクサにはヒスタミン、アセチルコリンを含むとげがある。スタミンは肥満細胞や好塩基球で産生され、アレルギー、アトピー性皮膚炎などの原因物質となる。これが健常人の皮膚内に注入されれば痒みや発赤、腫れを引き起こす。奈良公園のシカはこれを避けるため、イラクサが増えたという。
千駄木菜園に戻れば、イラガのイラは「毒棘」だが、国語的にはイラは「刺」「苛」とかく。
もとは草木のとげや刺激の強さに関わることから、きびしい・むごい・責めるなどの意味に発展したとされる。いらいらするというのもここからだろう。
イラガ幼虫の棘には
・ヒスタミン
・セロトニン
・タンパク質・ペプチド
・低分子の炎症惹起物質
・酵素類
などが含まれるという。
あとの3者は「そりゃ、何にだってあるだろう」という、書かれても意味のない成分だが、セロトニンが重要。
もともと生理的にはセロトニンは遠心性神経の伝達物質で、脊髄シナプスの5-HT1Rにはたらき求心性の痛覚伝達を抑制している。その意味では痛覚抑制物質といえる。(中枢のセロトニンやノルアドレナリンを増やす抗うつ薬が痛みにも効くというメカニズムはこれだといわれる)
しかし組織が損傷したり炎症を起こせば、集まってきた血小板が活性化され、それがセロトニンを放出し、これが求心性の痛覚神経の受容体(5-HT2/3R)に作用して痛みを引き起こす(いっぽう同時に肥満細胞などから出るヒスタミンはかゆみを引き起こす)。
こういう仕組みになっているところに皮膚の外からセロトニンを注入されたら、まず第一に痛みを引き起こすだろう。私が感じた「激痛」はこれだと思う。
11:12
剪定して道路に落ちた葉っぱにもイラガ。
無防備で集めていたら、そりゃ、つかんだり触れたりするだろう。
11:16
びっしり集まっている葉っぱもあった。
激痛はやがて鈍い痛みに代わり、腫れは2,3日続いた。
後ろのほうの反応はヒスタミンやペプチド性の炎症物質が関与しているのだろう。
10:44
家の前は数年前に空地となった。このあたりは地主さんが一族で共同所有していて、その複雑さから売却も住宅建設もなされず、空き地のままである。その隣は独身の初老の男性が住み、手入れもなされずツタでおおわれているが、そのうちここも空き地となったら大きなアパートでも立つのだろうか。
10:43
メロンは全滅した。
食べたあと保管していた種から育てていたが、梅雨の間に枯れてしまった。
接ぎ木の市販苗と比べ、根が弱く、梅雨で腐ったか、センチュウにやられたか。
同様に自家採種のスイカ苗も枯れてきた。
2026-07-07
1番畝のトウモロコシ。
今年も丈が小さい。肥料をけちるからか、直播きにせずポットに播くせいか。
2026-07-09
3番はスイカ、落花生、4番はナス、サトイモ。
この日とったフキはいつもより1か月遅い。
職場の人が食べるというからとった。フキは調理が面倒だから我が家でも年に1回しか食べず、大部分は放置されて枯れていく。
まだ梅雨は明けない。明けたら猛暑、それが過ぎ里芋、落花生を収穫すれば今年も終わってしまう。
7月11日、NHKスペシャル 「私の往生際 養老孟司が見つめた“生と死”」がん闘病の記録 が放送された。ずっと死を冷静に見つめ、何でも達観していると思われた彼もさすがに従来の威勢のよさがなくなっていた。肉体的なしんどさが頭の活動にも及ぼしているのだろう。
人間はどんな元気な人も死んでいく。千駄木で市販品に負けないほどうまく作れる作物と、何度やっても失敗する作物。今年こそ、と挑戦して毎年失敗しながら老いていく。









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