2026年7月7日火曜日

上野公園16 西洋美術館4 版画展、ゴッホ、モネ、クールベの所蔵作品数

 6月24日に上野公園にきて、ちょうど1週間後の7月1日、また来た。というか北千住の畑バイトから湯島の仕事に行く途中に公園に立ち寄った。

上野の森美術館の前に行列ができていた。
2026-07-01 11:43
展覧会入場口でなく、ショップのほうである。
お土産買うにも入場まで30分待たねばならないという。
大ゴッホ展である。
「大」という文字がさらに大きくなっている。
11:44
前日までは「日時指定予約優先制」という扱いだったが、この日から「完全日時指定予約制」になった。
平日で予約券を持っていてもこの行列である。
公園内に多い欧米人はここだけいない。

公園で食べようとサンドイッチを持ってきていた。
ちょうど目の前の林の中に切り株があったので、そこに座って、木々の間から行列を見ながら食べた。
11:53
犬を6頭引き連れた女性が林の中に入ってきた。
鵜飼いのようにひもを6本もっている。通過するのでなく散歩していらした。6頭もいたら糞尿するだろう。
一般に、飼い主は水をかければ良いと思っているが、私などは「水を加えただけ、汚れを広げるだけ」で何の意味もないと思っている。飼い主とそれ以外の人で考え方が全く違う。これは喫煙者とそれ以外、騒ぐ子供の親とそれ以外、などにも通じることだ。

食べ終わったので植え込みから出て大ゴッホ展入口までいってみた。
12:06
完全予約制だが、数に限りがあるとはいえ当日券もある。
売られていたのは14:00からのチケットだった。
一般2,800円、土日は3,000円である。
12:07
私は実はピカソやゴッホの良さがよくわからない。
いい絵だな、と思うのは他にいっぱいあって、彼らの絵はそこに入っていない。

この日は先週休館で入れなかった科学博物館に行く予定だった。
12:10
しかし大ゴッホ展の行列を見て、西洋美術館に変更した。
ここにもゴッホがあった気がする。
12:11
こちらは行列どころか、チケット売り場は誰もいない。

順路に従って本館2階にあがると、14-16世紀の絵画から始まる。
まっすぐゴッホのところに行く途中、そこを飛ばし新館に入ってすぐの大きな絵を何気なく見た。
12:16
「グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ」(1783?)
ヨーハン・ハインリヒ・フュースリ(1741 - 1825)
前の週はちゃんと見ずに通り過ぎていた。
276 x 317 cmという最大級の作品で、壁際まで下がってようやく写真に納まった。
裸の女性が犬?に襲われ、中央に目の光る馬が浮かぶ。
亡霊のような馬のモチーフ、構図に見おぼえがある。

そう、「夢魔」である。眠っている色っぽい女性の上に乗る猿のような悪魔と暗闇に浮かぶ牡馬の顔。フュースリには、眠る女性の上に悪魔やオスの馬の顔が浮かんでいる「夢魔」の絵がいくつもある。
この場所は、館内図では19世紀の絵画となっているが、18世紀後半の作品。
ルネッサンスの後、バロック、ロココの装飾過多の時代をすぎ、近代絵画の時代である。印象派などが出てくる前、新古典主義(ナポレオンの騎馬図など)からロマン主義への転換期に位置する。

すぐ隣から19世紀の近代絵画が並ぶので、これは絵の大きさからこの場所にあるのだろうか。
続いてクールベの絵があった。
12:17
「罠にかかった狐」
Gustave Courbet (1819-1877)
私の好きな絵だが、上野では見ていないので、どこかの本で見たのだろうか。
12:19
「波」(1870?)ギュスタフ・クールベ
彼は顔の目立つ人物画や風景画でも有名である。
前時代の宗教画や物語の絵に対し「私は自分の目で見たことのない天使は描けない」と有名な言葉を残した写実派の画家である。

近代絵画は、新古典主義、ロマン派、写実主義と続き、世紀末には象徴派、アールヌーボー、印象派がでて現代につながる。

モネの作品ばかりが並ぶ「モネの部屋」を出て、ビデオ上映のコーナーから1階に降りようとしたら、奥まった部屋で版画の特別展示があったので少し覗いた。
12:30
「死と名声の寓意」(1518)
作者ヴェネツィアーノについては何も知らない。

版画には銅板に直接掘るengravingと、防錆処理した銅板に鉄筆で描いたあと酸で腐食させて凹線をつくるEtchingがある。後者のほうが筆に力が要らないから繊細な絵が描ける。
しかし55年前の中学校の美術の時間では、プラスチック版に鉄筆で描いてインクを乗せて拭いてから紙に写したのを「エッチング」といっていた。今思えばエングレイヴィングのほうが近い。正しくはドライポイントというらしいが、なぜエッチングといったのか不明である。

1階にゴッホがあった。
12:31
「ばら」(1889)Vincent van Gogh (1853–1890) 
精神疾患を患い、拳銃自殺で37歳で生涯を閉じる1年前の作品である。
大胆な筆使いはゴッホらしい。ポスト印象派といわれるが、印象派の影響が見える。
モネより13年、ルノアールより12年後に生まれた。

雑に回って目的のゴッホを見たので、再び二階の絵を見ようと思った。
出口近くの階段を上がるとフュースリの大型の絵の前だった。
(館内図は前の週、2026-06-25)

12:41
クールベの狐の前をすぎると、モネが3点並んでいた。

続く隣の部屋はモネの作品ばかりである。
12:41
松方コレクションから始まった国立西洋美術館はモネのための美術館のようにさえ見える。
入場チケットの絵もモネの「舟遊び」だし。
レストランも「すいれん」だし。
12:42
(反対方向から)
本当にモネが多い。
日本人がモネ好きなのも、西洋美術館の影響かもしれない。

ということは所蔵品にモネの作品が圧倒的に多いのだろうか?

美術館公式サイトの作品検索で調べてみた。
AIはこのサイトにアクセスできないらしく、思いつく作者について自分で数えた。
前のブログに書いたように、所蔵品は油彩画よりも版画、デッサンが圧倒的に多い。
そこで、全作品数と( )内に油彩画の数を書いた。

クロード・モネ  19(16)
ピエール=オーギュスト・ルノワール 12(9)
ポール・セザンヌ 7(3)
ポール・ゴーガン 8 (5)
エドゥアール・マネ 15(3)
カミーユ・ピサロ 6(4)
ギュスターヴ・クールベ 9(9)
アルフレッド・シスレー 1 (1)
ベルト・モリゾ  1(1)
ピーテル・ブリューゲル(子)1(1)
ピーテル・ブリューゲル(父)27(0)
ジャン・フランソワ・ミレー 7(1)
ゴッホ 1(1)
ピカソ 27(6)
ルソー 0

すなわち、常設展に飾れるような、油彩画の数はモネが16点で圧倒的に多い。次いでルノワール、クールベの9点、ピカソが6点と続く。松方が好きだったというセザンヌは3点しかなかった。

モネの部屋を出て、版画の部屋の前を再び通った。
12:42
前の週に来たとき気づかなかったのは、この日の前日6月30日から始まったためだ。

西洋美術館の収蔵数・約6000点のうち4000点が素描、デッサン、版画などだという。
版画、素描などはカンバスでなく薄い紙だから油絵と比べ傷みやすいらしい。インクの量も少ないから退色も速い。
だから開放されおらず締め切りで、照明も暗い。
12:42
神話や物語を題材にしたものが多いから、知識がないと面白さが分からない。
午後は湯島の会社で仕事があるので、早々に退出した。

弁天堂に降りる階段前にきた。
この階段は上京した1975年以来、何度上り下りしたことだろう。
77,78年は秋になると戸田のボートの合宿所から通学するとき、毎朝降りたし、1987年4月から1年2か月、週6日、この階段で薬理学教室に通った。
12:55
1975年当時は戦後30年、このあたりに白い衣装の傷痍軍人の人が座っていた。
花見シーズン以外はそれほど人も多くなかった。
今はインバウンド客で毎日年中いっぱい。

昔は階段下の道路を渡ったところには左に自動販売機とビーチテーブル、パラソルが外に置いてある売店があった。池の向こう、不忍通りのビルはこれほど高くなく、また多くなかった。当時ここから東大や旧岩崎邸、湯島天神の森が見えたかどうかは記憶にない。



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