5月3日、今年は長いと喜んでいた連休も、いつの間にか終わりが近い。
柴又に行くことにした。
一度も行ったことがなかったから。
10時過ぎに支度して日暮里までのんびり歩く。
谷中銀座はすでにメンチカツなどに行列ができていた。
京成電車はJRから成田に行くときくらいしか使ったことがない。
京成の改札口から直接入るのは初めて。
あえて各駅停車に乗った。10:41発。
発車してすぐ、常磐線特急と並走。向こうは京浜東北線の電車、なかなか良い眺め。
何回か川を渡り、堀切菖蒲園、お花茶屋と美しい駅名だが、高架からみえるのは家の屋根ばかり。
11:09、ほとんどが柴又駅で降りて、群衆の塊がそのまま改札を出て柴又帝釈天の参道まで続いた。
この人出では昼食が大変だ。
どこも行列になるだろう、と少し早めだが大和屋の天丼を食べることにした。
これだけ人が多いと行列を作る場所すらない。
となりの高木屋(草だんご)の通路を借りて並ぶ。
行列でも店内はそれほど混んでいない。
座っている人もまだ食べていない。
ご主人のてんぷらを揚げるのが律速段階のようだ。
エビ、キス、しし唐で998円。
130年続く老舗で有名らしいが、味は普通(おいしい)。
見た目は地味、つぶれなければいいのだろう、繁盛させようという努力は感じられない。
柴又名物の草だんごは、亀家・高木屋・大和家・吉野家・とらやの5つが有名らしい。
色が濃く、長野松代産のヨモギを使用というので、吉野家のを買った。
4粒250円、食べながら帝釈天へ。
柴又帝釈天は、ほかの寺と同じように、寺名より仏像が呼び名になっている。
本来は経栄山題経寺。
本堂に上がる参拝客の行列を横目に通り過ぎる。
帝釈天は仏教の守護神、十二天の一つ。
四天王を配下に持つ。
彫刻が立派。
雨?ハト?から彫刻の保護だろうか、温室のように囲われている。
江戸川がすぐそば。
ここまできたら矢切の渡し。
ちょうど満員の小舟が出発したところ。
船はうしろにエンジンがついているが、櫓でこぐ。
船頭さんは予想に反して若い人。
定員20人、片道200円だから収入は1回4000円か。
川は狭いから適切な料金だろう。
対岸からも船が帰ってくる。
看板、ベンチ、小屋など一切ないのがいい。
しかし水がもう少しあったほうが景色は良い。
伊藤左千夫、野菊の墓のころはどうだったのだろう。
船は左方向に出たから、向こうからの船と時計回りで交差するかと思った。
しかし、いつのまにか左舷に相手を見る形になっている。
そうだ、船は右側通行だった。
戸田公園でボートを漕いでいた時を思い出した。
ところで対岸の船着き場は下流(写真右側)にあった。
これが向こう岸の正面にあれば距離は近い。右側通行ならむしろ上流左側の方にあればよい。
なぜだろう?
ひょっとしたら、あまりにも早く着いてしまうので、目的地をわざと離して遠回りにしたのだろうか?
帝釈天の北に金町浄水場があり、給水塔もみえる。
左の住宅地は江戸川と同じくらい低い。
それにしても江戸川の水を飲んでいるとは、相当高度な浄水処理をしていると思われる。
帰宅後調べたら、江戸川の西は自然堤防で少し高い。
そうだよな、低かったら帝釈天など作らない。
(でも堤防の内側と同じくらいだから、やはり見た目は正しかった)
山本亭に寄る。
洋風長屋門
旧正面玄関
庭園のすぐ向こうは江戸川の堤防
江戸川から水をひいて庭と一体化するには川が大きすぎる。
葛飾区が1988年に取得、入場料100円。
周辺は空き地と新しい建売住宅だから、わりと近年まで畑と田んぼだったのではなかろうか。都心でなかったことが貴重な屋敷の残った理由であろう。
屋内の蔵
庭園を見ながらお茶を飲める。
一番いい席に座られた。
風が涼しい。
ぜんざい500円
ふたたび帝釈天題経寺に戻る。
自撮りは難しいが慣れたい。
柴又駅に戻る。
寅さんとさくらの像は互いに見つめあっていて、日暮里駅の太田道灌と山吹娘の像を思い出した。
電車は高砂まで一駅だがやはり混んでいた。
日暮里駅に戻り、家まで歩く。
谷中銀座も観光客でいっぱい。
連休はみんな近場で過ごすのかな。
片方は江戸時代からの観光地、こちらは戦後、地元住民のためだけにできた商店街。
山手線から近いというだけで、本来観光地となりえない場所に人が集まっている。
この人込みは歩く気がせず、裏道に逃げた。
0 件のコメント:
コメントを投稿