2019年5月4日土曜日

柴又山本亭と矢切の渡し

5月3日、今年は長いと喜んでいた連休も、いつの間にか終わりが近い。
柴又に行くことにした。
一度も行ったことがなかったから。

10時過ぎに支度して日暮里までのんびり歩く。
谷中銀座はすでにメンチカツなどに行列ができていた。
京成電車はJRから成田に行くときくらいしか使ったことがない。
京成の改札口から直接入るのは初めて。

あえて各駅停車に乗った。10:41発。
発車してすぐ、常磐線特急と並走。向こうは京浜東北線の電車、なかなか良い眺め。

何回か川を渡り、堀切菖蒲園、お花茶屋と美しい駅名だが、高架からみえるのは家の屋根ばかり。

高砂でおりて柴又行きのホームに行くと、すでに電車は満員。
11:09、ほとんどが柴又駅で降りて、群衆の塊がそのまま改札を出て柴又帝釈天の参道まで続いた。
 この人出では昼食が大変だ。
 どこも行列になるだろう、と少し早めだが大和屋の天丼を食べることにした。
これだけ人が多いと行列を作る場所すらない。
となりの高木屋(草だんご)の通路を借りて並ぶ。
 行列でも店内はそれほど混んでいない。
座っている人もまだ食べていない。
ご主人のてんぷらを揚げるのが律速段階のようだ。
エビ、キス、しし唐で998円。
130年続く老舗で有名らしいが、味は普通(おいしい)。
見た目は地味、つぶれなければいいのだろう、繁盛させようという努力は感じられない。

 外に出た。
柴又名物の草だんごは、亀家・高木屋・大和家・吉野家・とらやの5つが有名らしい。
色が濃く、長野松代産のヨモギを使用というので、吉野家のを買った。
4粒250円、食べながら帝釈天へ。

柴又帝釈天は、ほかの寺と同じように、寺名より仏像が呼び名になっている。
本来は経栄山題経寺。
本堂に上がる参拝客の行列を横目に通り過ぎる。
帝釈天は仏教の守護神、十二天の一つ。
四天王を配下に持つ。
 彫刻が立派。

雨?ハト?から彫刻の保護だろうか、温室のように囲われている。

江戸川がすぐそば。

ここまできたら矢切の渡し。
ちょうど満員の小舟が出発したところ。
船はうしろにエンジンがついているが、櫓でこぐ。
船頭さんは予想に反して若い人。
定員20人、片道200円だから収入は1回4000円か。
川は狭いから適切な料金だろう。
対岸からも船が帰ってくる。
看板、ベンチ、小屋など一切ないのがいい。
しかし水がもう少しあったほうが景色は良い。
伊藤左千夫、野菊の墓のころはどうだったのだろう。

船は左方向に出たから、向こうからの船と時計回りで交差するかと思った。
しかし、いつのまにか左舷に相手を見る形になっている。
そうだ、船は右側通行だった。
戸田公園でボートを漕いでいた時を思い出した。

ところで対岸の船着き場は下流(写真右側)にあった。
これが向こう岸の正面にあれば距離は近い。右側通行ならむしろ上流左側の方にあればよい。
なぜだろう?
ひょっとしたら、あまりにも早く着いてしまうので、目的地をわざと離して遠回りにしたのだろうか?

帝釈天の北に金町浄水場があり、給水塔もみえる。
左の住宅地は江戸川と同じくらい低い。
それにしても江戸川の水を飲んでいるとは、相当高度な浄水処理をしていると思われる。
帰宅後調べたら、江戸川の西は自然堤防で少し高い。
そうだよな、低かったら帝釈天など作らない。
(でも堤防の内側と同じくらいだから、やはり見た目は正しかった)

山本亭に寄る。
洋風長屋門

旧正面玄関

庭園のすぐ向こうは江戸川の堤防
江戸川から水をひいて庭と一体化するには川が大きすぎる。

山本亭は、カメラ部品メーカーの合資会社山本工場を創立した山本栄之助氏の住居として建てられた。大正12年の関東大震災を期に、浅草から現在地に移転したという。山本亭より山本邸というべきではないか?
葛飾区が1988年に取得、入場料100円。
周辺は空き地と新しい建売住宅だから、わりと近年まで畑と田んぼだったのではなかろうか。都心でなかったことが貴重な屋敷の残った理由であろう。
屋内の蔵
庭園を見ながらお茶を飲める。
一番いい席に座られた。
風が涼しい。

ぜんざい500円
ふたたび帝釈天題経寺に戻る。

 
自撮りは難しいが慣れたい。
柴又駅に戻る。
寅さんとさくらの像は互いに見つめあっていて、日暮里駅の太田道灌と山吹娘の像を思い出した。

電車は高砂まで一駅だがやはり混んでいた。

日暮里駅に戻り、家まで歩く。
谷中銀座も観光客でいっぱい。
連休はみんな近場で過ごすのかな。

柴又の参道に負けないくらい人が多いが、店舗、通りの風格は比べるべくもない。
片方は江戸時代からの観光地、こちらは戦後、地元住民のためだけにできた商店街。
山手線から近いというだけで、本来観光地となりえない場所に人が集まっている。
この人込みは歩く気がせず、裏道に逃げた。

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