2023年1月1日日曜日

66歳からの職探し11 ダンスのリボン

ダンスパーティーで女性の相手をするために用意された男性スタッフを「リボン」という。
女はダンスが好きな人が多く、一方ダンスをする男は少ない。そこでパーティでは相手のいない女性たちを退屈させないために、主催者は踊れる男を用意する。
彼らは、はっきり女性に分かるように胸元にリボンをつけるから「リボンさん」という。「エスコーター」とか「アテンダント」という呼び方もある。

今までも頼まれたことはあり、私はけっこう評判が良かった。
退職してすぐ、これを仕事にできないかと考えた。かつての翻訳出版や、最近の菜園アドバイザーのように、趣味でお金を取れたら最高である。

2022‐12‐26
世の中にはダンスパブというのがあり、女性一人で行ってもスタッフが踊ってくれる店がある。飲み放題(ビールは有料、皆踊りが目的だからソフトドリンクが多い)、歌い放題(4時間のうち、ダンスタイムとカラオケタイムがある)で、2500円から3500円くらいかな。
そこに雇ってもらおうと思った。お客さんに喜んでもらう技量はある。10年くらい前は私より下手な人も雇われていた。時給は1200円から1500円くらいだろう。体力的にはきついが居酒屋やスーパー品出しのように忙しくはなく、頭を使う必要もない。

ところがコロナでダンス人口が減り、時間が余り収入の減ったダンス教室の先生たちがアルバイトでダンスパブで働くようになった。(今、ラテンダンスを習っている先生も池袋の店でバイトしている)。また、学連(大学のダンス部員) もスタッフにいる店もある。女性客はそこまでのレベルを必要とせず、私くらいがちょうどよいのだが、抜群に上手な彼らと一緒に働くほど図々しくはない。

またダンスパブのほかに、公民館とかコミュニティセンターで開かれるダンスパーティがある。こちらの客はお年寄りが多い。会費500円から1000円という安い値段で、冷暖房の効いた広いホールで半日遊べるから、都内各地で毎日のように開かれていて中高年(老人)で盛況である。

11月、私もたまに遊びに行っていた渋谷区文化総合センター大和田で開かれているパーティでリボンを頼まれた。常連のリボンさんがコロナ陽性となり、パーティの後一緒に食事した同僚リボンも濃厚接触者となって、急遽、人探しで私のところに話が来たのである。前日に頼まれても行かれる退職者の気軽さ哉。

謝礼は交通費込みで5000円もらった。しかし、パーティは13:00~16:30なのだが、いす、机を並べたりする会場設定、後片付けがあるため、家を出るのは11時半、帰宅は18時近くになる。時給に換算すれば、4600/6.5=707円。それでも仕事は単純で楽だった。

その時の私の踊りが気に入られたようだ。お客さんが「新しいリボンさんは踊りやすい」と主催者に伝えたのか、主催者が自分の目で見たのか、終わってから連絡先を聞かれた。これからもリボンが足りないときは頼まれるかもしれない。
2022‐12‐28
ニンジン初収穫
2022‐12‐28
パプリカの葉が枯れ実が腐る。

そのとき主催者と一緒になって会を運営していた人から、12月になって王子の北とぴあでのパーティのリボンを臨時で頼まれた。こちらの謝礼は3000円だった。時給換算すると、2700/6.5=415円である。アルバイトというよりボランチアである。これならプロの人とも競合しないしアマチュア規定にも反しないだろう。

ここでも評判がよく、埼玉のほうのパーティにも来てくれないかと頼まれた。しかし埼玉の公共施設でのリボンの相場は2000円だそうだ。問題は交通費。通勤定期がないため、大宮までの往復はJRだけで800円、田端までバスを使えば1220円かかる。時給換算すればなんと780/6.5=120円である。家でぼんやり野菜を見ていたい。
さすがに断った。
2022‐12‐28
成長遅い玉ねぎ
2022‐12‐28
ホウレンソウも小さいまま

実は、埼玉(シーノ大宮や浦和パルコのコミセン)のパーティで何回かリボンをやったことがある。それは主催者の赤津さんが毎週取ってくれている場所で練習させてもらっているからである。彼への義理というか感謝の気持ちで手伝っているので、アルバイトではない。

しかし、何の恩もない、知らない人のパーティでボランチアとして踊ってあげる(働く)義理はない。同じパーティでも葛西のステップワンのように、うまい女性が多く楽しいなら、地下鉄2本乗って会費(1100円)払ってでも行くけどね。

埼玉は断ったけど、王子と渋谷は体力をつけるために日が空いていれば行こうと思う。頼まれるのは嬉しいし、期待以上の踊りを見せて喜んでもらいたい。しかし都内最低賃金の1072円には遠く、アルバイトにはならない。
タイトルの「職探し」というのは、プロもいるダンスパブでは務まらないという話である。

2022‐12‐28
大根、900グラムは今年最小。普通は1.2キロくらい。
2022‐12‐28

ダンスパーティのリボンは、時給では及ばなくても退職後の過ごし方として、ちょうどいい。毎日じゃないし、体力維持にもつながる。
何より、ベーカリー、居酒屋、スーパー品出しは異常に忙しく、アルバイト仲間と雑談する暇もなかったけれど、ここでは会話ができる。社会とつながっているには大事な活動である。

20230101 66歳からの職探し11 ダンスのリボン

今日の気持ち 目次へ (エッセイなど)

0 件のコメント:

コメントを投稿