2023年6月19日月曜日

接木のキウリはなぜブルームレスか?

キウリは10年ほど作っているが、季節の初め、苗が小さいときは雌花が咲いても実が小さいうちにしぼんで枯れてしまう年が多かった。しかし昨年ころから実の付きがよくなっている。
だがこの時期は木を大きくするため、実は早めにとったほうが良い。
すでに3本ほど摘果して食べた。
2023₋06₋19
キウリは5株育てている。
近くの川越青果で買った80円程度の実生苗4株と接木苗1株。
この日は手前の15センチほどのものを収穫。

いっぽう、バイト先のシェア畑では今年の標準作物にキウリが入っているため、すべての区画に1株ずつキウリが植わっている。
この季節、成長スピードが速く、1週間見ないと、あちこちでお化けのようなキウリが生っている。
販売していない区画でも、ヘチマのようなキウリがぶら下がったり、太ったワニかツチノコのようなものが横たわっていてギクリとする。
このままだと株が弱るので取った。
バイト仲間の野呂さんは捨てようとするので、もったいないから食べましょうよ、と二人で分けて持ち帰った。
2023₋06₋19
巨大キウリ 33センチ、610グラム。
もっと大きなものが二本あり、一つは食べ、もう一つは人にあげた。
それらは1キロくらいあったかもしれない。立派な大根と同じである。
これだけ大きいと1本で立派なお土産になる。
(写真手前は千駄木菜園のキウリ。長さ16センチ、70グラム)

キウリは大きくなると味が悪いというが、よく分からない。
種は固いから、吐き出すか飲むしかない。
いつものキウリとのはっきりした違いは、皮が非常に硬く、緑がつやつや鮮やかなこと。
これらは近年のブルームレスキウリの特徴である。

ブルームbloomとは、表面にできる白い粉状の物質のこと。ケイ酸が主で少量の炭水化物とカルシウムが含まれるらしい。実を乾燥や病気から守る役目もある。これがないとキウリは自身を守るため、皮を固くせざるを得ない。

シェア畑のキウリは、病気になりにくいカボチャの台木に接木したもの。接木苗はブルームがない。

シェア畑で提供する苗は、スイカ、ナス、トマト、ミニトマト、ピーマン、甘長唐辛子、すべて接木である。おもに根がセンチュウにやられないなど、病害虫に強い性質を持つ。

ところで、キウリを接ぎ木にすると性質が変わるとは少し変な話である。

そもそも、継いだところの上は元の品種の性質を保つから、美味しいミカンがカラタチの台木に継いであるのである。台木は根の水分を上の細胞群に供給するだけの役割しかないのではないか? 皮の性質を変えるのはなぜか?

おそらく、台木の細胞から出る成分が影響したのでなく、台木に使うカボチャの根がケイ酸を吸収しないため、上部のキウリがケイ酸不足になってブルームが作れないのかもしれない。

キウリの横は枝豆(一次)。
3月20日に種をまいたもの。
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枝豆一次は、(時計回りに)キウリ、夏ミカン、アジサイ、塀、イチジクに囲まれている。
当然日当たりも不十分、草丈も低い。

この場所にはサツマイモに追い出されるネギが避難してくるため早く場所を空けたい。
しかし抜根するほど全ての莢が熟しているわけではない。膨らんでいる莢だけ選んで取れば、残った未熟な莢に栄養が集中するかもしれないと思い、手でいくつか莢をとった。
今年初めての枝豆収穫(110グラム)。右は枝豆2次。

枝豆は栽培が簡単で期間も短いので手軽に種をまいている。
先日空いた玉ねぎの場所にも2回に分けて種まきした。
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枝豆3次は5月29日種まき(右)、4次は6月6日種まき(左)

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トウモロコシも雄花が出てきたが、相変わらず木が小さい。
肥料不足か日当たりか。

キウリに話を戻すと、昨年キウリは4株で27,31,25,12本で合計95本とった。
今年は日当たりが昨年より劣る場所なので5株にした。なんとか100本はとりたい。

ブルームという、くすんだ白い粉が消毒に見えたりすることから消費者は光沢ある緑鮮やかなブルームレスを好み、それに迎合してキウリはブルームレスが増えている。
また、輸送中も傷がつきにくく、収量も良いから生産者も好む。

長野の弟は、ナマコのようなずんぐり短いキウリを作っていた。在来種の八町キウリという。昭和20年頃、近くの須坂市上八町の農家によって育種され、昭和30年代に広まったが、その後、果樹栽培が盛んになり、キウリ栽培が減少、八町きゅうりも消えてしまったという。ブルームに覆われ、皮が薄く、味の良いキウリである。しかし市場には出ない。


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