2025年11月22日土曜日

鳥はネットに穴をあけて柿を食う

11月3日の芋ほりに、まだ色浅い柿を初めてとった。6個。
しかし硬くて甘くなかった。
2025-11-12
翌週、9日後、そろそろいいかな、と思って木を見に行ったら鳥に食われている。
ネットの下から入ったのだろう。
ちょうど食べごろになったときに鳥は来る。
2025-11-12
これからは鳥と競争。
食べきれないが、13個とった。
木を小さくしたいこともあり、枝ごととった。

さらに翌週。
2025-11-17
温州ミカン、
こちらは柿があるうちは鳥が来ない。

柿のほうを見に行ったらまた食われていた。
2025-11-17
鳥はネットの中に入ると、天国のように美味しいものがいっぱいある。

2025-11-17
2025-11-17
この日は40個とった。
ダンスの仲間に13個、アルバイト先に16個持って行った。

しかし、まだ熟していないからあまり甘くない。
せっかくだから美味しく食べてもらいたい。
手渡すときに数日おいたほうが良いといったが、うまく追熟してくれるだろうか?

柿というのは糖度14~16度。つまり100グラムの果実に15グラムの糖分が溶けている。
(ちなみに柿、桃、みかんはショ糖が多く、ナシ、スイカは果糖が多い。ブドウ、イチゴはブドウ糖と果糖が半々くらい)
これだけの糖分があっても、ほとんどが細胞内、液胞の中にある。セルロースでできた細胞壁は頑丈で、咀嚼してもなかなか糖液が外に出てこない。
糖が舌に触れなければ甘くない。

室内でおいておいて追熟つまり細胞壁が劣化するだろうか。
いちばんいいのは木で熟させればいいが、鳥が来る。

翌日、見るとまた食われていた。
かなり丁寧にネットを張っていたが、どこからはいるのだろう?
ここではっと気が付いた。
数年前、ミカンのネットの中に入り、私に見つかって逃げようとして飛び回り暴れている鳥がいたことから、鳥は飛びながらネットに入るものだと思っていた。

しかし、鳥は巣などに入るときは着地してちょんちょんと両足で歩いて入っていくのである。木のうろを巣にするものなどは、穴の手前あるいは枝などに着地してから小さな穴に入っていく。翼はもちろん閉じているからネズミと同じように小さな穴があれば入っていく。森に取り付ける野鳥の巣箱の穴の小ささを思えばよい。

今回はネットに穴を見つけた。
2025-11-18
ネットに穴2か所。
空中で浮揚しながら開けることは不可能だから、ネットに爪でしがみつき、嘴で穴をあけたのである。ここからも鳥はうんと小さな穴があれば簡単に入ることが分かる。ネットでは防げないことが分かった。

数日後、食われている柿が増えていた。
2025₋11₋21
こうなるともう収穫して室内で追熟させたほうが良い。
2025₋11₋21
2025₋11₋21
4日前と同じような写真だが、別の日である。
この日は33個とった。もちろん未熟である。

なおも食われ続ける。
近くの千駄木小学校の木々の中でギャーギャー言っている鳥だろうか。
しかし平均すると1日に1個か2個。
何匹も来るのでなく、1匹か2匹の犯行だろう。
しかし、それでも食われるのは悔しい。
全部取ることにした。
2025₋11₋22
48 個とって 8.7kg 一つあたり 181.3g
最大のものは 272 グラムあった。

今までとったものが140個。木にはまだ11個残っているから、今年は151個。
鳥に食われたものも入れれば160個以上は生った。

一昨年の363個には及ばないが、昨年の55個よりは多かった。
問題は熟さない前に取らざるを得なかったことだ。
昨年は
12月8日、葉が全部落ち、このころが食べごろだった。
12月10日、光合成がないことから全部収穫、室内に保管
12月15日、皮むきで手がぬるぬるするが柔らか、食べごろ。
12月17日、皮むきで手がべとべとになる。

今年はだいぶ早くとってしまったことが分かる。

ところでこの柿は次郎柿と富有柿のどちらか?
双方似ているが、形は次郎柿のほうが四角っぽくて食感はシャキシャキ。
富有柿は四角でも丸みを帯び、少し背が高い。食感はしっとり。
我が家の柿は、形状は次郎柿に近いが、収穫時期は10月から11月上旬の次郎柿ではなく、そのあとの富有柿のころであり、熟すとしっとりした食感になる。
今年は室内に1か月おくことになるがどうなるか?

2025年11月8日土曜日

アピオス・アメリカホド芋を初めて栽培

 西洋の花の名前かと思ったアピオスを知ったのは、昨年、偶然による。

リンゴや柑橘類の糖分を調べるのに文科省公式サイトから日本食品標準成分表(2023)をみていた。
ここは果実類、豆類、野菜類、などと分類されている。たまたま、その中の芋・でんぷん類をみたら、一番最初にアメリカほど芋とあった(表はアイウエオ順)。たんぱく質が他の芋よりずっと高い。これは何だろう?

ウィキペディアで「アメリカほど芋」と入れると、「アメリカホド」という項目が出てくる。
学名: Apios americana。マメ科ホドイモ属の植物。
原産は北アメリカ大陸東部で、日本には明治時代中期に導入された。
英名はpotato bean、Indian potato、ground nutなど。日本では属名であるアピオスや、単にホド(ホドイモ)ともよばれる。

アメリカほど芋ということから、ほど芋というのが古くから日本にあったのだろう。実際、
日本には在来野生種であるホドイモ (Apios fortunei) が存在するが、青森を中心に作物として栽培されているのはアメリカホドだという。

ほど芋の語源は何だろう?
真っ先に思うのは、古事記にも出てくる古語の「ホト」。女性の陰部である。転じて山間の窪んだ所の意味もあるから、谷間に生える芋から名づけられたかと思ったが、むしろ日当たりのいい林の中に自生する。

自分で栽培してみようと思った。
ネットで調べたらヤフーのフリマで種芋が売っていた。
初めてフリマのアカウントを作った。
2024₋11₋09
アピオス アメリカホド芋の種芋
ヤフー・フリマ
商品名:アピオス 種芋 10球 北海道家庭菜園
商品金額:680円

到着した商品は10玉より多かった。
買ったはいいが、植える場所を決めていないので地中に保存し、越冬。

年が明け、春が進み、4月7日。
2025‐04‐07
掘ってみるとネットの網目から芽(根?)がでている。
ネットからイモを取り出すと芽が全て引きちぎれそうなので、ハサミでネットを切った。それでも芽は取れてしまった。ネットに入れての地中保存は良くない。不織布を敷いてその上にばらばらに置いて土をかけるほうがいいかもしれない。

5番畝の横、リビングの日除けになるよう植えた。
東ブロック塀際、ヒラツカレッドとせとかの東にも2個ずつ植える。

発芽率は7~8割。
夏になった。
蔓は細い。
2025‐07‐03
紫色の花が咲いた。
観賞用にもなるらしいが、そこまで美しくはない。
植える間隔、ネットの目の大きさにもよるだろうが、日除けになるほどでもない。

同じマメ科の大豆やエンドウと違い、花が咲いてもそこに実はならない。
2025‐07‐03
デッキに沿ってアピオスを植えたが、並行する5番畝にはサツマイモを植えた。
一緒に収穫しようと思う。
さらに2か月経過。
2025₋09₋23
アピオスの茎にカメムシがびっしり付いている。
枝豆などにつくのと同じ。豆類の茎の汁は格別にうまいのだろうか?
マメ類に豊富なタンパク質あるいはその原料のアミノ酸が茎を流れているのだろうか?

アミノ酸を合成するには窒素源を必要とする。
豆類は地中の硝酸イオン(NO₃⁻)やアンモニウムイオン(NH₄⁺)だけでは足りず、根粒菌を共生させ、空気中の窒素を固定してもらっている。ほど芋の場合、窒素源の取り込み口も、産物のタンパク質の貯蔵も地中の根である。原料が茎まで上がってこなくてもよいかと思うが、タンパク質、アミノ酸の炭素部分は葉で合成されるから、アミノ酸、タンパク質本体も葉で合成され、それが根のほうまで下りてくるのだろう。
それがほかの植物より豊富だからカメムシが集まるということか。
他の植物にはまったく付かないのに、マメ科だけに集まってくる。
ちなみにタンパク質、アミノ酸は茎を「流れる」のではなく濃いほう(葉)から薄いほうに拡散してるに過ぎないのだろう。

日除けとして上のほうまで蔓を伸ばしてしまったから消毒も難しい。

10月になると山芋同様に葉が黄色くなってきた。
ほど芋は北方の植物であることが分かる。
青々しているサツマイモなどと対照的である。

収穫できる時期だが、生い茂るサツマイモが邪魔で掘れない。
2025‐11‐03
葉は黄色を通り越して枯れてしまった。
この日はサツマイモを掘る日。
この畝を担当した娘が、ほど芋もいくつか一緒に掘り出した。
翌朝、サツマイモがなくなって、私も本格的に掘った。
2025‐11‐04
ほど芋の根はサツマイモの畝を完全に横断して伸びていた。
フリマで送られてきた種芋は蔓(根?地下茎?)でつながっていて、その乾燥した蔓は太くて丈夫そうであった。しかし今掘り出した蔓は細くて弱く、引っ張るとちぎれ、「芋づる式に」とはいかなかった。

ところで「芋づる式に」とは何だろう?
ジャガイモ、サツマイモ、里芋、山芋はいずれも地中に芋はできるが、芋は株の下に固まっていて、株を引っ張ればほぼ同時にすべて出る。山芋に至っては、芋はたった一つしかない。

ほど芋の形態だけが「芋づる式に」に合うが、こんなマイナーな芋がことわざになるわけがない。おそらくサツマイモだろう。サツマイモの茎は、蔓返しなどせずに野放しにすれば、地上を這ううちにあちこちに根をおろし、それが多数の小さな芋にまで発展する。おそらく地上の茎をひっぱるとのそれら小型多数の芋がつながって取れることを指したのだろう。しかし近年の栽培品種は蔓返しをしなくても小芋はできにくくなっているから諺が死語になりつつある。
2025‐11‐05
茎すなわち株のすぐ下に大きめの親芋があり、そこから根が何本か出て、その根のところどころが肥大して芋になる。その親芋は埋めた種芋ではなさそうで、新たにできた芋のようである。

さて、根はプチプチと切れてしまうため、芋づる式とはいかない。畑を全部掘り返さなくてはならず、収穫は手間がかかった。
朝飯前の1時間を連続3日、一度サツマイモを掘った5番畝(長さ3.6m、幅1.0m)を再び最初から掘り返した。
2025‐11‐06 7:43
落花生、サツマイモなど、保存の基本は乾燥させて冷暗所だが、アピオスは小さいから乾燥させるとしわになってしまうかもしれない。

2025₋11₋07 6:43
乾燥は軽めにして、芋を根から切り離して秤量した。
芋は913グラム、根(蔓)は216グラム

この日の夕食後、一人調理した。
小さいのをいくつも洗うのが非常に面倒。
ムカゴも小さいが、あれは空中に生るから洗わなくてもよい。しかしアピオスは皮が里芋のように毛羽立っていて土を抱き込んでいるから束子で一つ一つこすらなくてはならない。
最初なので電子レンジでなく鍋で茹でた。
2025₋11₋07 22:44
楊枝が刺さるまで茹でようと思ったが、かなり早い時間に縦に割れ、楊枝を使うまでもなかった。(この後食べるときに分かったが、口に残るほどの線維が縦に無数に走っている)

ジャガイモ、サツマイモは皮まで食べてしまう私も、アピオスの皮は食べなかった。
英語名のground nutからピーナッツ様な味を期待したが、そんな味はしなかった。
豆類特有の青臭さ(もやし類の風味)が少し感じられた。

ちょっと期待しすぎだった。
洗いの面倒くささを考えると来年は作らなくてもいいかな。
いちおう種芋として、6番畝、保存用サツマイモ蔓を植えた西側、つまり端に埋めたけれども。

・・・・
これを書いているとき検索したら農水省の公式サイトに、青森県三八地域の農業普及振興室?のプレゼン資料がアップされていた。

https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/hukyu/h_event/pdf/dream10_aomori.pdf

作付け面積は平成7年には鳥取が全国1位で100a、青森は60aの3位。それが平成16年には鳥取は栽培をやめてしまい、青森が全国の8割を占める800aの主産地となった。しかし、その後伸び悩み、というか減少し、現在は少し持ち直して700aという。青森以外は家庭菜園レベルらしい。

栽培法に関しては一つ勉強になった。すなわち、
栽培期間途中で地面にスコップを刺し、芋づる(根)を切ると、根が広がらず、芋数は減るが芋が大きくなり、また何より掘り出しが楽になるらしい。それでも栽培の手間は他の作物よりかかり、省力化対策が求められているという。

どういう会議で発表されたかは知らないが、イントロのスライドを見れば、非常に精のつく食べ物らしい。北米インディアンが他の部族と戦う前に食べたとか、青森県では「嫁入り芋」として嫁ぐ娘に母親が「体が弱ったときに掘って食べなさい」と持たせたとか、みんなで食べれば精力増強で出生率アップとか、まじめに書いてあった。

私の場合、茹でたものを一人でいっぱい食べたが、何の変化もなかった。1日の適量は3~6個というが、その何倍も食べた。
さて、洗うのが面倒なアピオス、どうやって消費しようか。まだ10分の1しか使っていない。妻は食べず、したがって調理もしてくれない。


(2025‐11‐10追記)
二回目の調理、試食。
皮をむいて食べることを前提に、洗うのは簡単にした。また加熱も簡単な電子レンジでやったせいか、すこしピーナッツ風の香ばしさが出た。これなら来年も作ろうかな。
収穫の大変さから、山芋のように肥料袋で栽培することも考えられるが、水抜きの穴から根が外に出ないか心配もある。


千駄木菜園 (総合)目次

千駄木菜園(庭と野菜と植物)目次

2025年11月6日木曜日

落花生、サツマイモ収穫

 

2025₋10₋29
落花生収穫
昨年より良い。
6番畝の一部に6株。
90センチ幅の畝に例年なら3列9株植えるところを2列6株に減らしたのが良かったか。
3番畝の一部にオオマサリを2株。こちらはサツマイモに圧迫されたのか、もともとオオマサリは収量が良くない品種なのか、あまりとれなかった。

11月2日上尾でA級戦があった。午前のラテンは19組中12組アップなのに予選敗退。午後は自信のあったボールルームだったが、こちらもまさかの1回戦敗退。
この2か月ほどの練習で踊りが変わってきたという手ごたえがあっただけに、ショックだった。その落胆と恥ずかしさとで、そそくさと会場を後にした。

幸か不幸か信じられないほど明るいうちに帰宅できたので、翌日の芋ほり大会の準備をした。
千駄木菜園の1年で一番のイベント。

繫茂した芋の蔓を切らなくてはならない。
2025₋11₋02 16:36
6番畝だけ終了。
膨大な蔓を廃棄するスペースがないため、手間取る。
暗くなったのでこの日はやめ。
2025₋11₋03 7:26
早起きして蔓をきる。5番3番も終了。
今年は高畝2列で植えた。
9:55
蔓を保存して越冬させる実験のため、採取。
ビニール袋に入れて室内、そのまま地中、半分埋めてビニールドームの3条件を試す。

作業していると次女がきた。
11:28
1歳半になる孫はまだ掘れない。

11:30
息子夫婦の子供は3か月なので部屋の中にいる。

掘り出した後、例年通りドミノピザの昼食、デザートはケーキ。

皆が団らんしている中、一人庭に出て作業を続ける。
種芋用の芋を別に分け、食用の芋の根や茎をトリミングした。
数年経ったら孫たちが手伝ってくれるだろうか。
15:39

昨年よりはましだが。
重量測定
3番畝の7割(2.9m)から 3.2キロ
5番畝全部(3.5m)から 3.7キロ
6番畝の7割(2.9m)から 2.2キロ
合計 9.1キロ
6番畝はいちばん日当たりが悪い。蔓の繁茂はどれも立派だった。
苗を何本植えたか記録しなかったが、畝の長さから50本くらいか?

過去は
 2020年 3番畝のみ 種芋1個から苗13本 (写真から6キロくらい?)
 2021年 1, 3, 5番畝 41本 (写真から12キロくらい?)
 2022年 5, 6, 7番畝 111本 22.3kg
 2023年 5, 6, 7番畝 77本 6.5kg
 2024年 5, 6, 7番畝 67本 5.5kg

長野の弟は市販苗10株で数十キロとったという。今年は特に豊作で最大の芋は3キロもあったとか。何が違うか分からない。
お化け巨大芋は人にあげるわけにもいかず、かといって捨てるわけにもいかず、炊飯器でふかし少しずつ切って、干し芋のようにして食事代わりに食べているが、さすがに飽きたという。