ハローワーク飯田橋のPCコーナー
専用プリンター付き
4月から無職になる。
人並みの年金がもらえるなら働く必要はないだろう。
しかし何もしないのも退屈なので、何かしら仕事をしてみたい。
どうしようかな、と漠然と考えていたのだが、先日、物珍しさでハローワークを訪ねたことから俄然、身近な関心ごとになってきた。
それ以降のことを書く。
1.探偵会社の調査員
ハローワークのネット求人情報で「司書、その他専門職」というカテゴリーを見ていたら出くわした。なるほど、専門職ね。
仕事は浮気調査がメインだが、「クライアントの深刻な悩みを解決する社会貢献度の高い仕事」だという。
パートで年齢不問、時給1,200~2,500円。
面白そうなので初めて行ったハローワークで紹介状をもらってきた。
履歴書を書いて封をしたのだが、朝、封筒を家に置き忘れて一日考える時間ができた。
ここで初めてその会社の公式サイトをみると、創業18年、業界でも大手のほうらしい。
浮気関係の読み物が充実していて、しばらく読む。尾行、GPS、聞き込み、録画、と浮気の証拠を集めるようすが、動画になっている。
ここでユーチューブを見ると実際の探偵の尾行が動画になってアップされていた。二人一組で車を追跡していく。池袋から東京湾の海ほたるまで延々と走る(よく気づかれなかったものだ)。テレビドラマはすぐ現場を押さえられるが、実際は長丁場、これは想像以上に大変な仕事で、興味本位ではやれないと思った。
迷うことなく、封筒は投函せず。
2.東京国立博物館
有期雇用職員、時給 1,160円。
「百五十年史」編集と関連資料の整理、データ入力、校正、編集の補助。
ハローワークの求人情報は、上記のカテゴリー検索よりもキーワード検索のほうが効率が良い。そこで博物館といれたらヒットした。しかし締め切りまで2日しかなかった。
ハローワークでなく博物館の公式サイトにある採用情報でも同じ求人情報があり、そちらをみるとメール提出でも良いという。そこで急いで所定の履歴書をダウンロードした。
しかしPDFだった。私のPCではPDFに直接書き込めない。さてどうしよう?
無料のPDF編集ソフトにPDFelementがある。以前使って便利だったのだが、透かしが入ってしまうらしい。有料版は1年間4480円。ちょっともったいないな。
Googleドライブに目的PDFを入れて開く方法がある。
開くときにGoogleドキュメントで開くと、自由にテキストを編集できる。ところが、顔写真の枠がつぶれてしまい、履歴書の形式が変わってしまった。
いっぽうDocHubで開くと、顔写真の枠はそのまま維持される。しかしテキスト文は編集できず、空欄に文字を置いていくという感じになる。しかし、顔写真を載せるにはこの形しかない。
とにかく、夜中までかかって完成、送信した。
発表は3日後、書類選考の結果通った人だけに連絡が来て面接に進むらしい。
連絡は来なかった。
歴史は得意だし、雑誌編集の経験もある。補助員としてはけっこう役に立つ人材だと思ったのだけど、ダメだった。強力な応募者がいっぱいいたのだろうか。
立花隆の求人を思い出した。
1993年、「一般秘書業務・資料整理・集め
年齢学歴不問 主婦可 能力人柄重視 固20万 週休2日」
として朝日新聞に出した。
50通くらいだろうと思ったら翌日から速達の束がドサドサ届き500通になったとか。主婦可としたのは良質の知的労働力が家庭に眠っているからだという。
「すごい経歴の人がいっぱいいて、こんな雑用に才能を使わせていいのだろうか」と彼も躊躇したほど。
東京国立博物館の時給1160円パートで私が負けたのは、こんな人たちが相手だったのではなかろうか?
3.佐倉の国立歴史民俗博物館のパート
これもハローワークのキーワード検索。内容は
・朝・夕2回巡回し、展示ケース内の資料の状態、汚れ等を確認。
・温湿度計のデータ集計と展示ケースの照明を点検・補充。
・展示室で使用するパネル・キャプション等の製作、パネルリストのデータベース更新。
・撮影、写真原版の貸出に関する電話応対と事務処理
・展示替え作業の立会いと作業で使用する備品の準備等
時給1080円。
千駄木から佐倉まで1時間半かかるけど、やりたい。
ぜひやりたい。
ハローワークの紹介状が必要なので、12月22日にまた行った。
前回と同じ相談員をリクエスト。彼はにこにこしながら調べてくれた。
ところが、1月14日締め切りで既に26人が応募しているという。20代から60代までの男女、住所は佐倉近辺、千葉の人が多いそうだ。
これは勝ち目がなさそう。断念した。
4.墓地管理人
職探しとは全く関係なく、散歩で芝離宮に行こうと思った。
開園時間などを知りたくて公式サイトを見たら、上のほうに「公益財団法人・東京都公園協会」のバナーがあった。クリックするといろんな都立公園についての情報があったのだが、「採用情報」というのに目が反応してしまった。
クリックすると臨時職員(アルバイト)を募集していた。
ここは都立公園だけでなく霊園や水上バスなども管理運営している。
私の好きな染井霊園もアルバイト募集があった。
仕事は
(1)書類作成、データ入力、台帳記入
(2)お客様対応(接客・電話等)
(3)墓所調査、納骨業務
など
時給1050円というのは、東京都の最低賃金1041円の1円の桁を切り上げただけの最低レベル。
春4月からの自分を想像した。
窓から木々の緑をみながら、のんびり。
外に出て有名人を含む墓石群を見ながら明治以降の歴史を学び楽しむ。
そして自分の人生を反省する。
最後の仕事として最もふさわしいと思った。
ここの応募なら、博物館のような激しい競争はないだろう。
ところがこの募集情報は10月25日更新とあった。
2か月前から募集していたということだ。
もう決まっているのではなかろうか?
無駄な履歴書を送るのももったいないので、電話してみた。
まだ決まっていないという。
よし!!
急いで力を入れて履歴書を書いた。
応募要項に書いてある職務経歴書はふつう同業に転職するときに使うものだが、何か書かねばならない。墓地管理人などの経歴はないから、自分が役立つことをアピールした。
書類作成はなんでもOK、自信あり。穴掘り、伐採、清掃、土いじりは家庭菜園で慣れており、体力もダンスで十分である。墓地の所有者と散策一般訪問者の双方にとって、最高の場所であり続けるよう、この環境を維持していきたい、と抱負を書いた。
ところが、数日後、12月20日の消印で
「~貴殿の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます」という不採用通知がきた。
なぜだ?
10月以降、彼らは、誰でもできそうな仕事に東京都最低賃金で募集して、ずっと決まっていなかった。それなのに不採用とするのは、一体どういう採用基準なのか?
本日26日、東京都公園協会のHPを見れば、染井霊園は相変わらず募集している。
声色を変えて電話すれば「まだ決まっていません」と答えるだろう。
できれば不採用の理由を聞きたいものだ。
でも、もう応募することはないので電話しない。
(続く。たぶん)
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