2026年8月3日月曜日

柏の葉のラグビースクール、千葉大園芸学部と高等農学校

7月14日、千葉県立柏の葉高校に行った。

ちょうど1年ぶり2回目。
前回は柏の葉キャンパス駅から広い公道を歩いたのだが、高校生たちが千葉大の敷地を通り抜けて登校するのを見たので、今回は彼らについていった。
つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」周辺

かつてこのあたりは陸軍の飛行場があり、戦後アメリカ軍に接収され、返還されてから大学や公園になったことは1年前のブログに書いた。
8:16
「千葉大学柏の葉キャンパス」という表札のある入り口から入る。
守衛所などはない。入っていくのは大学関係者ではなく全員通り抜けの高校生である。

すぐ左にラグビースクールジャパン というインターナショナル・スクールがあるがフェンスがないので境界がわからない。

地図には千葉大の「環境健康フィールドセンター」と「バイオヘルスオープンイノベーションハブ」が書いてあるが、見たところ大部分は畑(果樹園)である。

歩いていくと左に芝生のグラウンドがあった。
8:16
2本の高いポール。これはひょっとしてラグビー場ではないか?
千葉大キャンパスの西に隣接するRugby School Japanというのは近年できたイギリスの名門校の日本支校だ。
えっ? スポーツのラグビーは、このラグビー校と関係あるのか?
あとで調べよう。

右側は千葉大の畑である。
松戸キャンパスにある園芸学部の付属農場らしい。
8:17
梨だろうか。
(実家でも)作ったことがないので姿からは分からない。

千葉大は農学部でなく園芸学部である。
両者の違いは前者が林学から畜産、水産まで含むのに対し、後者は野菜、果物など作物栽培に限ること。私立の場合は畜産、水産などが独立することはあるが、明治以来の伝統の用語としてはそういう区別である。

では戦後、千葉大園芸学部となる前、戦前の名前を見てみよう。
1909年 千葉県立園芸専門学校として出発。
1929年、県から文部省に移管され、官立の千葉高等園芸学校となった。
最初から園芸に限ったのである。

戦前、官立高等農学校として設立されたは7つあった。
もともと農業に関する高等教育は、明治前期に札幌農学校(のち北海道帝大)、駒場農学校(のち東京帝大)、私立の東京農学校(のち東京農大)があったが、これでは不足である。

明治後期になって、
1902年盛岡高等農林
1908年鹿児島高等農林
1910ー1914、上田、東京(西ヶ原)、京都の3高等蚕糸学校ができ、これらは1903年制定の専門学校令の適用を受けた。すなわち旧制中学を出て入学する学校となった。これらは戦後それぞれ信州大、東京農工大、京都工繊大の設立母体(大学内の最古の学部)となった。

第一次世界大戦後、高等教育機関拡充の動きの中で各地の誘致もあり、さらに鳥取・三重・宇都宮・岐阜・宮崎の官立5農高が1920年-1924年に設立され7つとなり、1929年には千葉県立園芸学校が文部省に移管され官立高等園芸学校となった。
またその上位校となる帝国大学においては、これ以前から農学部が設置されていた東京帝大に加えて1920年-1923年には九州・京都でも農学部が新設された。

しかし戦前における専門学校の単科大学昇格という点で言えば、官立2校・公立1校が昇格した高等商業学校(一橋の東京商科大、神戸、市立大阪)、また官立2校が昇格した高等工業学校(蔵前の東京工大、大阪工大)と異なり、高等農学校の場合は私立の1校が東京農業大学として大学昇格を果たすにとどまった。

残りの官立農学校7,官立蚕糸3,県立から官立となった千葉の11校は、戦前には大学にならなかったが戦後各地の国立大学の一学部となった。

国立大学農学部のほうから見れば、名門といえる官立11校のほかに、県立農林専門学校(新潟、信州、静岡、愛媛、香川、など)、帯広畜産学校、農業学校の教員養成をしていた東京農業教育専門学校(のち東京教育大から筑波大)なども戦後大学になった農業関連学校である。
8:17
柿の実が生っている。

千葉大園芸学部に話を戻すと、園芸という単語が野菜、果樹、庭木、花卉などの栽培またはそのための技術であると分かっていても、NHK「趣味の園芸」の影響からか、ガーデニングとか草花の栽培のイメージが強い。

しかし通路から目に入る範囲には、ほとんど果樹であった。
品種改良など日本の農業技術の発展に果たした役割は、各県の農業試験場ほど目立たない。
8:18
ブドウ畑か。
8:18
左はラグビー校を過ぎ、目的地の県立柏の葉高校の敷地になった。

回廊といえる通路をとおって、県立柏の葉公園の前の通りに出た。
8:21
動植物、土の採取、畑、建物への立ち入りを禁じているだけで、通行はOKである。
千葉大の敷地は途中からこの通路部分だけになっていて、裏の通りへ出るためだけの校地である。

千葉大の東は東大。
8:24
東京大学インターナショナルロッジ
留学生のための宿泊施設は雑司ヶ谷や巣鴨にもあるのではなかったか?
生活支援金などは中国などからの留学生でなく、日本人の大学院進学者に援助してもらいたい。
8:25
東大の他に、産総研、国立情報学研究所もあるようだ。
はいってみた。
8:25
人がいない。
柏Ⅱキャンパスとあるのは、ずっと広いIキャンパスが東のほうにあるからだ。
そちらは前のブログに書いた。
8:27
広すぎて空地があって草ぼうぼう。
8:28
自転車置き場。
こんなに広いんだから、開放型にすれば建設費も安いのに。

柏の葉高校での待ち合わせは8:40
10分あったので道路を渡って県立公園に入ってみた。
8:30
千葉県立柏の葉公園
戦前の飛行場が米軍に接収され、返還後に国と県で分け合ったことは前のブログで書いた。
国は大学の国立研究所を建て、県は高校と公園を作った。
8:31
広い。
人工の池がある。サッカー場は一時柏レイソルがホームとした。野球場は前年、高校野球の千葉県予選をやっていたが、今年はどうか。
体育館も立派なんだろう。
公園センターや茶室では市民に講習会などもやっている。
茶室の上生和菓子つき抹茶は800円。

8:33
入口からの通路の両側は密林

8:34
キャラボク
香木の沈香(ジンコウ)の中でも最高級として知られる伽羅(キャラ)とは別物。
伽羅と似ていることからキャラボクと名付けられたが、キャラを知らないので香りが似ているのか姿が似ているのか分からない。
目の前のキャラボクの葉っぱはイチイに似た常緑針葉で、実際イチイ科である。
ちなみに子供のころ実家にあったツガ(トガ)は似ているがマツ科である。

時間が迫っていたので、公園案内図の左下のごく一部を覗いただけで戻った。

講演は体育館に空調がないということで生徒は各教室で聞くというリモート講演となった。
各教室すべてにつながっているかどうか確認に時間がとられた。面倒だなと思う教員もいることだろう。マスメディアの熱中症連呼は一般人にもうつり、こういうものは少数意見でも通るから世の声になってしまった。夏は暑いのが当たり前であり、変な声によって地球温暖化はますます進んでしまう。

ま、とにかく話は終わり、駅まで送りますという声を辞退して来た道をもう一度歩いた。
10:02
千葉大圃場の棚はやはりブドウだった。
袋がかかっている。どんな品種かはわからず。

学生たちの姿は見えない。
彼らは1年の時は西千葉キャンパスで、2年以降松戸にくるらしいが、他大学の農場と同じく、実習はしても日ごろの作業は専門職員がするはず。

千葉大の圃場の南のほうまで歩いてくると通路西側にラグビースクールがある。
千葉大の敷地(道路)との間は大した境界もないので近づいてみた。
10:05
Rugby School Japan
全く知らなかったのだが、イギリスの「ザ・ナイン」と呼ばれる最も歴史ある9つの最難関校のパブリックスクール(イートン校やハーロー校など)の1つに数えられる。イングランドのラグビーにある。ここは9世紀ころから集落があり、1567年、学校ができた。校名は創立者の名前でなく地名ということだ。ラグビーは現在人口7万人。

1823年、ラグビースクールの生徒であったウィリアム・ウェッブ・エリスが、フットボール(サッカー)の試合中に手でボールを持って走り出した というのがラグビー発祥とされる。これには諸説あるが、ラグビーワールドカップの優勝トロフィー「ウェッブ・エリス・カップ」の由来になっている。

目の前の案内図のラグビー場にはWebb Ellisと書いてあった。


この通り抜け道の南門から出る直前に、千葉大側に一本の木があった。
10:08
気になったので近づくとカシワの木だった。
もちろん千葉大柏の葉キャンパスを表す。

カシワというのは枯れた葉は褐色に変わり、その多くは春まで枝についたまま新芽が出るまで落葉せずに残っている。この姿が親が子を見守る、家系が絶えないとして縁起の良い木とされた。

このような樹木は落葉樹でも常緑樹でもなく枯凋性(英:marcescence)という。
本来、枯れて落葉するのは冬季に葉から水分の蒸発を防ぐためとか栄養素の回収とか風雪防止とか、生存に有利なものとして進化したといわれる。
ところが葉が落ちないものが残ったのは、動物による春の新芽の食害を防ぐことなどが理由だろうか。

カシワは信州の実家にあって、埼玉で伊奈町から指扇プラザに引っ越した時、親から苗をもらった気がしたが、その後忘れ、少なくとも千駄木には持ってこなかった。

通り抜け道南門の道路を渡れば、駅前のショッピングセンターである。
10:14
ららぽーと柏の葉
おしゃれな店が多い。
ここは暮らしやすそうだ。
10:17
駅前ロータリー

大学、研究所に公園、運動場などの公共施設が駅から遠からぬところにあり、駅には大きな商業施設がある。何もないところに作ったから広々している。
歴史とか猥雑さがないが、そういうものに興味がない人には最高に住みやすい街に思えた。

駅名か開発地区名かどちらが先か知らないが、西柏とか新柏にせず、柏の葉にしたのは良い。柏の木だと意味がない。

過去のブログ


お出かけ 目次へ  (ご近所から遠くまで