2019年6月19日水曜日

ついにエアコン買ってしまった

我が家にはエアコンがなかった。
何十年にもわたり、エアコンを買わなかった理由は2年前に書いた。

要するに
1.発電からのエネルギー効率を50%とすれば、5度下げるのに同量の空気を10度上げねばならない。これは室外機の熱風(熱移動)だけでなく、地球全体の温度を上げることを意味する。
2.スイッチ一つで快適が得られてしまうと、インドやアフリカの暑い中でぐったりしている人々の苦労が想像できないのではないか?
3.すーっと入ってくる風を楽しむ方が品のよい生き方ではないか?
4.暑い寒い、なんていうのは、仕事や人間関係の悩みから見たら大したことではない。夏が暑いのは当たり前。世の中もっと大きな問題がある。

などであった。
皆がちょっと我慢すれば、もっといい社会になるのではないか?

何十年も前から、こうしたことを職場や友人たちに主張し、近年暑くなればなるほど、私はエアコンのないことを自慢するようになっていた。
こうなると、ますますエアコンを入れるわけにいかない。

妻は当初はエアコンを欲しがったものの、途中から諦め、夏はぐったりしていた。
しかし、親戚(長野、取手)からは毎年非難の声が届いた。

近年の夏は熱中症のニュースばかりで、それが彼らの不安をあおった。
夏に体調不良で搬送されればすべて熱中症として報道される。
きちんと因果関係を示していないといっても聞く耳を持たない。


今年の夏、妻は61になる。
以前から腰痛、めまいなど持病を抱え、今後いろんなところに故障が出てくると思われる。そうなったとき、子供たちも妻も、親戚も、その病気の原因を暑さのせいにするだろう。冬に発症しても猛暑で悪化したというだろう。
私は家族を不幸にした極悪人となり、言い訳するほど立場が悪くなる。

彼女が元気なうちに買うしかなかった。
世間に負けた。

実は昨年、静かな圧力に屈して7月末に電気店に様子見に行ったら、取り付けがお盆過ぎと言われ、8月に再び行くと取り付けが9月になったことで、妻には来年にしようと言っていた(信じたかどうか不明)

だから今年はわりとすんなり(葛藤もせず)買う気になっていた。
極悪人になってまで意地を張るべきではない。

1.畳数計算

さて、電気店に行く前に、まずエアコンの大きさを決めなくてはならない。
大きさは、冷却能力でなく畳数表示である。
置くところはリビング、15畳。

しかし木造15畳というだけで機種を選ぶのは馬鹿だ、とどこかに書いてあった。
能力と畳数の関係を定めたのが1964年、以後一度も改訂されず、その間住宅の断熱性能は高まっている。
しかしメーカーは高いものを売りたいから、あえて改訂は求めず、その内情に触れるのはタブーとなっているらしい。つまりオーバースペックのものを売りつけているのである。

必要能力を計算するサイトは多くある。
例えば
https://www.eakon.jp/choose/fuka_check.html
ここに日当たりとか窓の大きさとか入力すると
▼冷房時の熱負荷は3217(W)、お勧めは、12畳用(3.6kwタイプ)
▼暖房時の熱負荷は4578(W)、暖房能力4.6kw以上のエアコンをお選び下さい。
と回答してくれた。

6月14日、仕事帰りに大宮ビックカメラによる。
エアコンは畳数別に陳列されている。
3.6kwタイプは15畳のところでなく、11~14畳のところにあった。
このコーナーだけでも多くの機種があり、ずいぶん値段が違う。


同じ能力なのに20万円近く違うではないか。
店員に聞くと、省エネタイプは値段が高いという。
電卓をはじきながら、840kwと1260kwを比較し、1時間に22円と33円、400kw違うと、11円違うらしい。数年で元が取れるから、本体が高くてもお得です、という。

でも省エネタイプは200ボルトが多かった。
はて、電灯線は交流100ボルトなのではないか? 
聞くと、
「どの家も200ボルトになります。でも古い家だと、線を交換しなくてはならないから3万円くらいかかることもあります。東京電力に聞けばわかると思います」

電気料金の節約と、電圧変更費用を天秤にかけなくてはならない。
この日はひとまず帰宅。

2.電気料金の計算

まず冷房使用時間算出
期間は7・15~8・30
朝6~10時、夕方17~24時 合計11時間 これが45日
妻のパートは4勤3休なので
10~17時も使う日、つまりプラス7時間の日が21日
エアコン使用時間は
11x45 + 7x21 =642 時間

1時間26円なので、ひと夏では
940wなら 0.94 x 642 x26=15690円
1240wなら1.24 x 642 x26= 20698円

年間5000円、10年で5万円しか違わない。
しかし、暖房も使ったらどうなるだろう。
配電盤の変更など電気工事の費用はいくらか?

迷うな。

3.配電盤を開けてみる。
  AC100/200Vとある。
各部屋のブレーカーを見ると二階エアコン、キッチンなどは100/200Vと書いてある。
あれ? 
コンセントはすべて100Vだが、どういうことだろう?


2日後の6月16日、ビックカメラ再訪

店員が笑顔で寄ってきた。
電気工事のことについて聞くと、
省エネタイプのものは標準的な電気工事などサービスです、という。
え? 200V工事が無料?

ここで俄然、省エネ高級機種に傾いた。
22万9300円(税抜き)
安いものを買うと妻に怒られる心配もあるし。

期間キャンペーン、買い替えキャンペーンなどすべてつけてくれて、税込み20万でいいという。

よし決めた。

そこでスマホで撮った配電盤を見せ、標準的な電圧変更工事で済むかどうか聞くと
「見る限り、200ボルト対応に見えますが、念のため東京電力に確認してください。配電盤だけ新しくて線が来ていなければできません」
という。

4.東京電力に電話

お客様番号を伝えると、
単相3線が引き込み線で行っておりますので、200ボルトOKです、という。
そうか、3線か。
相が180度ずれた交流100V2本、Eと-E 、アース1本、合計3本の電線を配電盤まで送ってあれば、どの2本を使うかによって
 E - 0 = E と 
 E - (-E) =2E、
すなわち100Vと200Vが得られる。
コンセントなど変えるだけでいいらしい。

ついでに契約容量の変更についても聞くと、60アンペアまでなら無料でできるという。

この電話をした6月17日の夜、
3回目のビックカメラ訪問。
この日の店員は高い値段を提示したので、前日渡された税込み20万と書かれた店員の名刺を出すと、その通りにしてくれた。
取り付け工事日は6月27日。
消費電力と定格能力だけを見て選んだが、
買ってからパンフレットを見ると、売りはAIという。
外からスマホで操作できるのは当たり前、
住人の生活パターンを学習し自動でオンオフするらしい。

そんなものは必要なかった。

極めつけはプラズマクラスター。

イオンなんて似非科学ではないか。
もし作用が本当にあるなら、都合のよいことばかりでなく、人体への(副)作用も、真剣に調べねばならなくなる。

リラックス効果もあるらしく、このエアコンを使ってクレペリン検査の成績が良くなったという。
馬鹿らしい。
しかし他のメーカーもイオン発生を売りにしている。
いったい日本はどうなっているのか、と驚いてしまった。

もっと古い型でもいいから、冷却能力が同じで単純で安いものがないか?
と聞くべきであった。


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