2017年12月24日日曜日

息子の彼女と庭の千両

28才になった息子が日曜に彼女を連れてくるというので、
妻が掃除を始めた12/23。
帰宅して居間の隣、自分の部屋に行くと変なにおいがする。

聞くと、翌日のために庭の水仙を取って玄関に飾ったら臭くなったので私の部屋に押し込んだとのこと。
マヨネーズと湿布(メントール)を混ぜたような変なにおい。
一言でいえば悪臭。確かにこれでは飾れない。

一夜明けて当日。
さて代わりに何を飾るか。
ニンジン、大根なども面白いが、妻に怒られるので代わりに千両をとった。
この季節はこのくらいしかない。
全く剪定しないせいか以前より実が小さく、少なくなった気がする。

世の中には万両というのがある。
やはりこの時期に赤い実をつけ、名前の良さもあって正月の縁起物になるのは同じ。

千両は実が葉の上につき、万両は下につくことで容易に区別できる。
もっとも千両はセンリョウ科でヒトリシズカの仲間、万両はサクラソウ科ヤブコウジ属というから、実以外にも大きく違うのだろうが、よく知らない。
おそらくどちらかが先に名前がついて、似ていることでもう一つも似た名前になったのだろう。

息子は5月に茗荷谷に家出して以来、めったに来ないからますます彼の行動は分からなくなっている。
久しぶりに会った先月の長野行きの時、早く結婚しろといっても「わかった、わかった」以外何も言わなかったのに、突然、彼女を連れていくと先週言ってきた。

あまり女気がないので心配してずっとうるさく言っていたから、黙らせるために連れてきたのだろうか。

家は、子どもたちが皆出て二人きりになっても相変わらず散らかっている。妻は大掃除して、この日は大和郷フレンチパウンドハウスからケーキを買ってきた。

息子たちは午後二時に来た。
ちょうど妻がトイレに入っているときで、どっかと構えているはずが出迎えにでなくちゃならなくなった。
午前中「来たら、あたかも知らなかった風に驚く芝居でもしちゃおうかな」と言ったら妻に怒られたが、芝居する余裕はない。あたふたしてたら彼女もブーツを脱ぐのに手間取り、そのうち妻が出てきたので任せた。

冬だからこたつに4人はいった。
「二人とも緊張しているから、そちらから話題を振ってくれ」と息子から前日注文があった。
そんなこと言われなくたって聞きたいことは山ほどある。
6年も前から付き合っていることに驚き、
次々と質問を浴びせては、コメントし(年寄りの昔話と薀蓄をたれ)、
「面接されてるみたいです」と言われてしまった。
べらべらしゃべり、軽薄な父親に見えただろうか。

もともと息子の堅実さとセンスを信じて、彼が選んだのなら誰でもいいと思っていたが、真面目そうで、派手な感じじゃなく、でも明るい。
きちんと育てられた感じ。
まだ予定はないというが、もし結婚すればいい家庭になるだろう。
クリスマスイブだからか、あるいは長居したくなかったのか、二人はこれから用事があると、日が陰ってきたころ席を立った。

彼女は、下駄箱の上の千両に気付かず、丁寧に挨拶して出て行った。



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