1.いわゆる「知的な仕事」はできるだろうか?
4月1日から就業する求人は、12月初めに募集を出して1月13日、14日に応募締め切りのところが多い。つまり今が応募のピークである。
国立歴史民俗博物館(佐倉)の展示事務補助(巡回、パネル・キャプションなどの製作)は簡単そうで面白そうだった。
やってみたかったが締め切りよりずっと前に応募者殺到していたため、12月中に諦めたことは書いた。
しかし気になっていた求人があった。
国立科学博物館(上野公園)の非常勤職員である。
サイエンスコミュニケータ養成実践講座というのがあり、その企画業務に従事する。
日本最大の自然史博物館を内部の人間として見られることが魅力だった。
家から公園まで2.1km、歩いても27分。1年更新で最長3年。
待遇も他が時給1050円くらいだったのに対し、日給10,000~12,000円程度というから、少し良い。
求められる資格、能力として
・パソコン(パワーポイント含む)を用いた文書・データ作成、処理。
・学校・博物館等における理科教育・科学教育の指導またはサイエンスコミュニケーションに関する経験。
・科学または教育に関わる修士以上の学位。
これなら国立東京博物館150年史編纂助手のパート求人で競合した有能な人々(たぶん主婦など文系女性?)にも勝てるかもしれない。
今までやってきた学会発表、大学での講義、子ども大学実行委員長などの経験がアピールできる。一般人へサイエンスの魅力を伝える業務というなら、医学史、科学史関係の7冊の翻訳出版もプラスに働くだろう。ファルマシア編集委員としての特集号や座談会の企画経験もアピールしよう。
年末年始の休み中に力の入った履歴書を作製、完成した。
あとは応募ファイルを送信すればいいだけ。
しかし、送信直前に昨年の「サイエンスコミュニケータ養成実践講座」なるものを見てみた。
令和3年度プログラム
具体的なプログラムがあった。こういう講座を企画するのか。
講師の依頼や世話、ポスターを作ったり、受講者のレポートの採点とかするのかな。
膨大な標本、資料を持つ国立科学博物館の中で働くのは魅力だが、果たしてこの仕事は面白いだろうか?
周りの人は優秀でまじめだろうな。
なんか面倒くさくなってきた。
今まで41年間、比較的自由な仕事だった。
企業でも上司は何も言わなかったし、締め切りもあまりなかった。実験室でも一人だったし。
転職してもオフィスは個室だったし、楽だった。
しかし、科学博物館の、こういうきちんとした職場でやって行けるだろうか? そのオフィスでは仕事と関係ないネットを見るわけにもいかないだろう。ぼーっと関係ないことを考えていることもできないだろう。
そもそも、この仕事は楽しいだろうか?
若ければ、こうした面倒な仕事も経験値を上げて将来役立つだろう。
しかし、この仕事は、老後の私にとってプラスだろうか。
若ければ、2,3年でやめてまた違う仕事ができるが、もうこの年になるとやり直しはない。
送信は保留した。
正月はテレビをよく見た。
人間の数だけ仕事がある。もう少し視野を広げよう。
2.転職サイトの実際
ところで、履歴書をつくるにあたり、ネットで書式の無料ダウンロードというものがあった。そのサイトに行くと、様々な個人情報を聞いてくる。入力終わってダウンロードすればそのまま履歴書が完成するのかな、とせっせと記入した。しかし、顔写真を入れると行間がずれて、使い物にならなかった。
ところが、その直後から(おおげさでなく、すぐ)、求人メールマガジンがバンバン来た。
個人情報を入力したキャリアインデックス社だけでなく、ビズリーチ、マイナビ転職エージェンシーからも来る。つながっているのだろうか?
各社とも1日に何通も来る。
鬱陶しいのは、どれも役に立たなこと。多いのは大学事務職員とか、化学会社だが、すべて正社員。ミドル・シニア向けといっても40代、50代である。
よく考えたら、65歳の老人なんて自社を定年退職した人間がいくらでもいるのだから求人情報を出すわけがない。
つまり、私にとって転職サイトは意味がない。
すべて配信停止にした。
転職サイトの良くないことの一つは、現在の仕事、希望した職種だけの情報ばかり来ることである。私はもっと自由なはずだ。
3.タウンワーク
テレビを見ていると転職、求人サイトのCMがとても多いことに気が付いた。ビズリーチ、indeed(斎藤工)、エン転職(バカリズム)、タウンワーク(松本人志)、
駅にも求人情報誌がおいてある。
どこにでもあると思っていたが田端駅、地下鉄には見つからず、西日暮里にあった。
西日暮里駅の改札外
赤羽、成増は駅構内にある。
フリーペーパーのラックから分かるように、タウンワーク、SUUMOはリクルートである。
SUUMOの位置にはかつて住宅情報(タウンズ、マンションズ)があったがどうなったか?
あれ? indeedも同じリクルートだけどタウンワークとの違いは何だろう?
今まで考えなかったことを考えるようになった。
さて、タウンワークを開いてみる。
多いのは交通誘導、警備スタッフ。
年齢不問、日払い、ヒーターベスト貸与はいいとしても、個室寮完備、履歴書不要、と畳みかけられると、いかにも不人気で誰でもいい感があり、引いてしまう。
ビル清掃の求人も多い。
アマゾンのラベル貼り、ピッキングというのも多かった。ネット通販の時代を反映していて、あちこちに配送センターがある。
谷中、千駄木にあるカフェの募集もある。働いてみたいけど、爺さんよりきれいな娘さんに給仕してもらいたいよな。
すぐそばの駒込病院で胃カメラの洗浄スタッフを募集していたが、すぐに飽きてしまいそう。
チェーン店でない(忙しくない)居酒屋で働いてみたい気もする。
タウンワークはweb版もあり、希望場所を駅単位にして検索できる。都県単位でしか指定できないハローワークより便利だ。お役所と民間の違いか。
4 入間基地
ハローワークはお堅い求人が多い気もして、日雇いバイトの多いタウンワークとの棲み分けも感じる。
その検索サイトで「記念館」と入れたら入間基地の修武台記念館の案内人を募集していた。今まで「博物館」と入れていたので引っかからなかったのである。
4月採用だが締め切りが1月14日、そのご面接。急いで応募した。
5 職探しと家探しの共通点
話は戻るが、最初に書いた国立科学博物館の非常勤職員。
たった数日でまったく魅力を感じなくなった。
先月、真っ先に興味をもった、探偵(尾行、張り込み)、国立東京博物館150年史編纂助手、染井霊園の管理人も、今や興味もなく、不合格だったこともまったく悔しくない。
職探しは、結婚相手探しや、家探しと似ている。
確かにそのときは夢中になって、何とか自分のものにしたいと思う。しかし、力不足か、ぐずぐずしたかで他の人にとられてしまう。その後しばらく逃がした魚は大きいと悔しく思い続ける。ところが、やがてもっといい人、物件が現れるものだ。
今の妻と今の家はそうやって見つかった。
そのあと探していないから最高とは言い切れないが。
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