2023年7月7日金曜日

和歌山1 高速バスで木の国へ

定年退職したというより、年を取ったせいか、1週間が速い。

あっという間に1か月経ち、今年も半分過ぎた。
野菜を作っていると、苗の成長、収穫、来年の作付け計画、と時の経過が楽しみであるが、私自身もどんどん寿命に近づいている。

やり残したことはいっぱいあるような、(きりがないから)ないような。

先週金曜にダンスのパートナーから火曜の練習無しにしてくれ、と連絡があった。
ふと、どこかに行ってみようと思った。
和歌山県に行こう。
行ったことがない、というだけの理由。

新幹線だと新大阪までのぞみ、そこからは特急「くろしお」に乗り換え和歌山駅まで1時間10分、すなわち東京から4時間20分、片道16,160円(指定席)。
しかし用事もない、義務もない。暇つぶしに行くのにはもったいない。

そこで高速バスで調べると片道5,900円。これでいい。
いや、待てよ。
和歌山市は県でも北のほう、大阪に近い。
大阪までバスで行ってそこから電車だとどうなるか?

ちょうど大阪府南端のりんくうタウン行きがあった。
これは3200円、安い。
07月03日(月) 東京駅 21:50発
07月04日(火) りんくうタウン駅到着 07時40分頃
りんくうタウンから和歌山市まで南海電鉄で740円だから合計でも3,940円。
これで十分。

7月3日、家で夕食、のんびりした後、東京駅鍜治橋に出てバスに乗り込む。
バスは満席。外国人もいる。新幹線と比べるとずいぶん狭く感じるが、安いのだから仕方がない。
隣とはカーテンで仕切られている。

7月4日朝、ほとんどの客が京都、梅田で降り、ガラガラになった。
リックからコンビニパンを取り出し朝食。
2023₋07₋04 6:39
外(南側)を見ると遊園地のような施設。もちろん行ったことはないが、たぶんUSJだろう。
あわててスマホカメラを出し、ぎりぎり端に一部を写したが、すぐ見えなくなった。
6:40
と、思ったら高速道路はぐるっと回り、再びUSJの西側を通った。
川は淀川から分かれた土佐堀川の下流、安治川。
有名な天保山は右手前、安治川河口左岸にあったはず。

終点りんくうタウン駅には予定より30分近く早く着いた。
関西空港はこれまでもこれからも縁がないだろう。
7:17
この時間、駅ビルはほとんど人がいない。
関西空港は右手方向。
7:22
りんくうタウン駅は、南海、JRが乗り入れている。
改札は同じ。ホームも仲良く隣同士で全く区別がない。
7:36
泉佐野で南海本線に乗り換え。
空港線からの電車は、両側がホーム(3番、4番)の線に入り、両側の扉が開いた。和歌山方面は右側3番に降りろとアナウンス。階段昇降しなくても便利だ。ところが、電車を待つあいだ線路の向こうの2番をみるとそちらも「和歌山市行き」と書いてある。そちらは通勤・通学客が並んでいるが、私の3番ホームは誰もいない。電車が来たとき、不安になったので急いで階段を下りて上がり2番に行った。到着した電車は両側のドアが開いた。

東京の私鉄でもターミナル駅では両側が開くことがあるが、それは降りる人と乗る人を分け、ホームの混雑を防ぐため。しかしここでは乗り換えの利便性のため両側が開く。関西に来るとエスカレーターの立つ側とか、いろいろ文化の違いを感ずることがあるが、これもその一つとなった。

電車は急行、逆方向だからすいている。
7:50
南海本線の名前通り、鳥取ノ荘駅をすぎると海が近い。
写真は、せんなん里海公園付近
8:04
紀ノ川を渡ると和歌山市駅に到着。
8:09
和歌山市駅は南海本線の駅でもあり、JR紀勢本線の終着駅でもある。
一方、東方の和歌山駅は南から来る紀勢本線の途中駅で、北から来るJR阪和線、和歌山線の終着駅である。
8:11
駅ビルから南口広場を臨む

地図が欲しかったので、ビルの警備員のような人に観光案内所はありませんか?と聞いた。
「いやあ、バスの案内所はありますが・・・観光案内所はありませんね。でも簡単な観光案内なら私でもできますが・・」と予想外のお返事。 
人の良さそうな30代の太めの男性だった。
マニアックな、いろんな和歌山のことを聞けばよかったのだが、とっさに出てこず、和歌山城はこの道をまっすぐ行けばいいのですか?と(知ってはいたが)聞いただけだった。
「はいそうです。気を付けて行ってらっしゃいませ」と返してくださり、とても気持ちよく私の和歌山散策は始まった。
8:18
歩き始めて気づいたのは街路樹が多く、樹勢がいいこと。
紀ノ国はかつては木の国といったらしい。
九州肥の国が火の国、関東が毛野国と呼ばれた時代か。

8:22
木の国の青々した葉っぱの影が地図に映る。

お城の濠の一部であったであろう、市堀川を渡る。
8:24 城北橋
左岸のビルのKISHIはOA機器を扱う(株)貴志。
和歌山には貴志川という川がある。高野山を水源とする紀ノ川水系最大の支流。
貴志川町、和歌山電鉄貴志川線、貴志駅、貴志という苗字も聞く。

そのまま歩くと西汀町交差点で和歌山城の天守閣が見えた。
立派。
8:29
歩道橋に登ってパチリ。
和歌山城は石垣、空堀など曲輪が思ったより立派だったので、あとで別に書く。

9:10に大手門から出たから40分ほど見物したか。
大手門前の大通り(けやき通り)を和歌山駅に向かって東にまっすぐ歩く。

和歌山市は道路が広い。
和歌山大空襲の結果だろうか。1945年7月9日、250機のB29が飛来、市街の7割が壊滅、死者1,208人、旧国宝和歌山城天守も焼失した。
9:21
けやき通りは片側2車線、全部で4車線の広い道。
その4車線全てと両側の歩道2本が木の植えられた分離帯で分かれていて、全部で5本の樹木の列がある。
真ん中の3本がけやきだが、こちらの歩道側(北)はクスノキだった。落ち葉の掃除が大変だから照葉樹にしたのかな?と思ったが、いちばん向こうの歩道側はイチョウだった。樹木種選定の理由が分からない。
9:29
和歌山県の表玄関、和歌山駅が近いのに、人がほとんどおらず店も閉まっている。
駅まで300メートルほどなのに駐車場や民家もあった。

和歌山市は人口35万人、かつては40万都市だったが、大阪に近いためストロー現象で人口が減った。それでも人口2位の田辺市が近畿地方で面積最大ながら6万人しかないから、和歌山市は圧倒的でこの北の隅に県全体の4割の人が住んでいる。
大都市大阪に近い県庁所在地なのに、この落ち着き、静かさは何だろう?
おそらく、南は平地が少ないため何もないからか。
例えば岡山や高松など他の多くの都市は地域の中心でありながら、他の都市からの通過点でもあるのに対し、和歌山は袋小路のようになっているため、他県などから流入する人がいないためだろう。
私のように用もないから一度も行ったことがないという人は多いと思われる。
9:31
和歌山駅前交差点
駅の地下に立派な観光案内所があり、ようやく地図を手にできた。案内所の前がちょっとした地下広場のようになっていて、歩き疲れたのでベンチに休み荷物、パンフレットの整理などした。平日の朝だけに、旅行者などはおらず、暇そうな地元の人が数人ぼんやり座っていらした。
9:41
地上も人が少ない。駅ビルはMIOという。
近鉄デパートが目立つ。しかし2府3県で路線を展開する近畿日本鉄道は和歌山県に入っていない。

さて、和歌山で一番見たかったお城を見てしまい、さてどこに行こう?
まだ10時前だ。

(続く)


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