年配の人はもちろん、子ども連れ、若者も多い。
絵を描いている人もいる。
安田講堂から三四郎池あたりはイベントでもあるかのように人が集まって写真を撮り、浜尾像の碑文をどう読むか大声で話している。
近年、たとえば谷中あたりを見てもリックを背負って散策する人が増えているが、本郷キャンパスの増加は急激である。
確かに谷中や上野公園よりずっと快適だし、古い建築や歴史的記念碑、図書館、博物館、学食レストランもあるし、都会とは思えない池も緑もあって、しかも無料である。
老若男女、どんな背景の人でも楽しめる。少し前まで大学など観光スポットとは思われなかったのだが、テレビや本で紹介でもされたのか、この大きな穴場にみんな気づいたようだ。
この日は高校生の団体もいた。付き添いの先生もきている。聞くと酒田東という。案内しているのは東大の学生の様だ。少子化がすすみ、東大も積極的に優秀な学生を取ろうとしている。多様性を増やすため女子と地方を狙っているのだろう。
総合図書館から工学部1号館を望む。
上の写真の1本東側の通り
さて、医学図書館で調べ物をしているうちに午後1時半を過ぎてしまった。
中央食堂が工事中で休みだったので銀杏に行こうと地下に降りた。写真の左側は生協(家電、家具)だったのだが、引っ越して閉鎖されたのか、土曜で閉店したのか、汚くて雑然としているため不明。
ソフトクリームの看板が出ているところから銀杏に入ろうとしたら、銀杏とメトロが一緒になっていた。
かつては和風の銀杏と喫茶店のメトロと全く違う店だったのに。
食券を買おうとすると、中国人の団体がいた。
留学生ではなく、ふつうの訪日観光客だった。言葉もわからないようで、まとめて買うこともせず、一人一人、自分の番が来てから考え、身振りでやりとりしている。自分の注文なのに写真を撮っているものもいる。
私はいらいらしているのだが、そのすぐ後、私の前にいる2人の日本人学生(男女、一人ずつ)はじっと黙って待っている。ここは助けるか、はやくしろ、とプレッシャーをかけるか、どちらかだと思うのだが、大人しいというかお行儀がいいというか。
350円のカレーをもって右側、昔のメトロ側に行った。
驚いたのは、席が図書館の勉強机のように衝立で二人ずつになっている所が多いことだ。窓際はすべて一人用に窓を向いている。
食券売り場でじっと待っている学生と、相席を嫌い窓に向かう学生。
昔とは変わってきたのかな。
1979年、ゆったりした赤いソファーで、私はフジキヨ君と毎日、ほぼ同じ場所、窓を背にして、カレーとハンバーガー1つ、食後にソフトクリームという決まったメニューを飽きるまで数か月続けた。
タバコの煙こそなかったが午後ずっとたむろしている者ばかりの、ちょっと退廃的雰囲気だったメトロが、こんな味気ない無機質な場所に変わってしまうとは・・・。
下膳口に行く途中、銀杏側を見ると座敷はかろうじて残っていた。しかし小さくなったような気がするし、縄を編んだような居酒屋風の椅子がすべて(メトロ側と一緒の)プラスチックになってしまい、まったく和風ではなくなった。
帰り際、写真を取ろうと思ったらまた観光らしきカップルがメニューをのぞいていた。
銀杏などはアルコールも出て、夜などは居酒屋的な雰囲気があったのだが、これではミニチュア中央食堂である。
0 件のコメント:
コメントを投稿