2021年3月22日月曜日

浦和1 調神社の狛兎、古代の地形と倉庫

3月21日、雨、ダンスの帰りに調神社に行った。

過去に2回ほど来たことがある。

ずっとツキノミヤジンジャと呼んでいたが、ツキジンジャあるいはツキノミヤ(調宮)というらしい。確かに。私は屋上屋を架していた。

2021‐03‐21 16:10 
狛犬の代わりに狛兎
しかし狛犬は高麗犬。「コマ」に入り口を守る像という意味はない。
唐の獅子像が仏教とともに伝わったとされるから、狛兎という言葉は適切でない。

16:10
伊勢神宮への初穂、貢物を集めるために蔵を建てたのが始まりという。
鳥居がないのは荷物を運ぶのに邪魔だから取り払われたとか。

調神社の調は、租庸調の調。ツキと読む。
昨今、ミツギは「貢」しか使わないが、本来は「御調」であろう。

彼らは蔵の周りに祠(小さな神社)を建てたであろう。集積場としての役割が終わってから、その神社をミツギの蔵のヤシロと呼び、それが「ツキのお宮」、「調の神社」となったのだろう。

ツキのお宮から、月=兎となり兎の像になったのだろうが、だ洒落の好きだった江戸時代からのような気がする。
手水鉢の水が兎から出ている
観光客を意識して作ったのでは?

入り口の兎は新しそうだから、以前はこちらが飾られていたのだろうか。

お百度参りの数え板
一枚ずつ、手で動いた。
今でもお参りする人いるのかな?

池の中にも兎。
こうなるとしつこい。名所化しようとしたのではないか?
入り口の1対で止めておいたほうが品がある。

16:18
池を回って奥に行くと、ガラス張りの小屋に入った小さな社があった。
臨時の立て看板のような説明を見れば、
調神社稲荷社(調神社旧本殿)
とあった。

今の本殿は安政6年(1859)竣工というから、こちらは江戸時代初期のころか。
神輿の大きなものという感じ。
神輿はportable shrineということを思い出した。

昔の神社は森とか岩、山を神聖なものとみて、前に祭祀を行う広場があっただけだったという。そもそも社殿は小さかった。大きくなったのは仏教、寺院の影響か。

さて、ここは伊勢神宮あるいは朝廷におくる調の集積所だったという。
当時は道も悪く、船で運んだであろう。
ここは大宮浦和台地にあり、その南は東京湾まで続く低地であった。
すぐ近くまで船がこれただろうか?
16:21
神社の南は確かに下っているが船が入れるほどの入り江があったとも思われない。
帰宅後、国土地理院の地図で高低差を確認した。

中央の十字が調神社
神社のすぐ南の浅い低地には船が入るほどの川はなかったであろう。
東から水路を掘ったなら別だが。
水量のある川は南西の白幡沼あたりなら考えられる。
そのあたりに陸揚げして、蔵の場所まで運んだのかもしれない。
ここに集めたのなら、都や伊勢に送るのは南の東海道ではなく、北の東山道を通っただろう。

・・・
室町時代、江戸時代以降の近代の神社は各部落の一角に作った(氏神)。
しかし古代は集会所とか蔵とか公共の施設が神社に転用されたのかもしれない。豪族の屋敷内の祠が地域の神社になったこともあろう。湯島の天神や嬬恋神社は出城(砦)、船着き場だったかもしれないし、香取、鹿島の神宮は、大和朝廷の東征前進基地だったという話を聞いたことがある。
調神社には、そういう遠い時代を想像させるものがある。

・・・
調神社には一つ思い出がある。
1995年ころから近くの古本屋に来ていた。
16:28
建物はあるが廃業されたようである。

2001年2月11日、この本屋から出た時、向かいの洋品店から高校生?中学生?が二人、ハンガーにつるされた服を持ったまま走ってきた。
「ドロボー」という声が聞こえたかどうか忘れたが、すぐに追いかけた。後ろの一人が調神社の手前の横道に入り、塀を乗り越えようとした。追いついて服をつかもうとしたが私の手が滑って逃げられた。

彼が放り捨てた服を拾い、持って行ったら感謝された。
住所を聞かれたから書いたら、後日、靴下を送ってきてくださった。
16:29
その洋品店はもうなかった。
当時、彼らは盗んで道を斜めに横断して逃げた。
わずか10年前だが、旧中山道は狭かったのか、あるいは車がいなかったのだろうか?
少なくとも今より古い家が多かったのは間違いない。


たいていの人は殴り合いなどしたことないだろう。
私も人を殴ったことはない。
殴ったら自分の手はどのくらい痛いのだろう?
一度も経験しないで人生を終わるのだろうか?
もしあのとき調神社の塀で万引き高校生を捕らえ、つかみ合いになったら殴るチャンスがあった。体力では負けるが向こうは後ろめたさがあるからこちらが有利。たとえ殴られても貴重な経験になっただろう。
何年かに一度、そんなことを考える。

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