2023年2月2日木曜日

聖護院は宮重大根から派生した

大根は2014年の秋から作っている。今年で9回目。
2015、2016の2年間は聖護院と宮重総太りの2種類を作ったが、2017年からの6年間は宮重だけにしている。
肥料をやらなくても毎年良く育つ。
2023‐01‐08
写真を撮ろうと、右手にスマホ、左手に大根を手にしたら、重くて持っていられない。
大根のほうの手を物干しに支えてもらったが、手を一杯に伸ばしても大根が全部写らない。結局妻を呼ぶ。
「地面に置いて写せばいいのに」
なるほど。
葉っぱを除いて54センチ、2.07キログラム
今までで最大。これほど大きいものは規格外だからスーパーにはない。

宮重総太り大根は尾張地方で作られていた宮重大根の一種である。(宮重は集落名、今の清州)。タキイ種苗がこれを含めて4種の大根を掛け合わせ(宮重系は3種)、耐病総太り大根を作った(1974)。しかし大きさが不揃いであったため更に改良したのが、現在スーパーで流通する大根の90%を占める青首大根である。
真ん中が太い、おふくろ大根、三浦大根などと違って円筒形であるため、おでんなど料理に使いやすい。
生産量は1位の北海道、2位の千葉県、3位青森県で全国の33%を占める。北海道では7月~9月に、千葉では10月~6月に収穫され、なるほど、私がバイトするスーパーの大根は銚子産である。

千駄木菜園の宮重総太り大根の種はダイソーで2袋100円で売っていたもの。
青首大根の一種であるから、成長すると地上にせり上がり、青い部分は甘い。

毎年、時期をずらし(意図的でなく、夏野菜の終了時期によって少しずつ場所が空いてくるため)3回くらい種まきしている。

今年は第一次としてトウモロコシ、枝豆の終わった8/21-9/11に種をまき27本育てた。種まき日が長期にわたったのは、発芽しても何者かに(根切り虫?コオロギ?)食われて何度かまきなおしたからである。27本中24本は優に1キロ越え(スーパーの大根以上)の予測。

第二次は、シシトウ、ナスの終わった9月29日、宮重でなく聖護院大根を6年ぶりにまいてみた。
第一次より1か月遅く日当たりも良くないため、発育は遅かった。

聖護院大根は京野菜として知られ、形がカブのように丸いというだけでなく、煮崩れしないわりに肉質が柔らかいという(6年前は不作で比較できなかった)。ちなみに千枚漬けは大根ではなく聖護院かぶである。

聖護院は修験道(仏教に取り入れられた日本独自の山岳信仰。山伏が出てくる)の一派、本山修験宗の総本山である。平安神宮のすぐ北、京大医学部の東にある。明治時代まで住職を皇室から迎える門跡寺院として高い格式を誇った。

聖護院大根は、ここの修験者(山伏)たちが創出したのではなく、この一帯、聖護院村で作られていたから、名前に地名が冠されたもの。聖護院カブ、聖護院キウリ、聖護院八つ橋なども同じ。

聖護院大根は宮重大根から作られたとwikiに書いてある。しかし疑い深い私は、逆に円筒型の宮重系のほうが(9割を占めるくらいだから)進化系のように思えて、調べてみた。

1983年、26歳のとき大宮駅ビルで買った「原色日本野菜図鑑」(高嶋四郎)を開いてみる。
それによれば、文政年間(1816‐30)、聖護院村の農家がたまたま尾張から黒谷の金戒光明寺(別ブログ)に奉納された2本の大根(細長い宮重大根)を見た。当時付近で栽培されていたもの(細長い中堂寺大根)より、はるかに大きく立派だったため、門主に頼んでもらい受け、畑に植えた。しかし長年栽培を繰り返すうちに変化し、短形、丸型の固定品種となったという。いまでも京都では別名として尾張大根というらしい。

さて、我が家の聖護院大根、葉っぱは若々しいが、まだ小さいと思う。
でも待ちきれず収穫した。
2023‐02‐02
聖護院大根、初どり。
後方は宮重総太り大根

葉っぱを除いて測ると450グラム。
ほとんど全部が1キログラムを超える宮重と比べると大分小さい。
種まきが一か月遅かったからかもしれない。

しかしもし普通に育てても小さいなら、宮重大根から派生した新種というのが、やはり信じがたい。それとも上品な京都の人は味重視で大きさは無視したのかな?
どの程度味が違うか、知らないけど。


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