2017年9月15日金曜日

第41 薬剤師と看護師の給料比較

看護師、月給40円(15~79円)
薬剤師、月給14円(12~17円)

薬学雑誌1898年度939頁

この年、明治31年、薬学会の年会費は2円であった。
また、大阪衛生試験所・技師たりし山口再五郎氏は8月26日非職を命ぜられ、即日北浜薬品株式会社技師に採用されたが、年俸は850円(薬誌同940頁)である。これらを頭に入れて、本題に入る。

「 日本赤十字社大阪支部にては看護婦に係わる種々の規則を設け・・・雇聘料を左のごとく定めたり。(カッコ内は大阪府管外)
普通患者は1日金50銭(80)、
腸チフス、赤痢、ジフテリア、痘瘡、猩紅熱、丹毒、精神病等の類80銭(95)。
ただし発病、全治とも主治医の届け日をもって普通患者との限界とす。
発疹チフス、コレラは1円25銭(1円40銭)、
黒死病(ペスト)は2円50銭(2円65銭)。
交通遮断のため患家を出ること能はざる場合には、看護を要せずとも雇聘料の半額を受け、往復旅費も雇聘者の負担とすと定めたり。

今この規定により看護婦の日給を月給に改算すれば、最低15円、最高79円50銭にして、各病種平均すれば40円68銭なり。

一方、全国薬剤師が病院に雇聘せられつつある月給は、平均12円ないし17円にして、たとえその業務が看護婦のごとく危険ならざるにせよ、一科専門の学業を修めたる薬剤師の待遇の冷淡なるは、いかにも気の毒千万ならずや。識者の一顧を煩はしたきものなり。 」

看護師明治の頃すでに薬剤師の給料の低さを嘆く声があったとは意外であった。
さて平成の御世、「一科専門の学業」を6年にもわたりて修むる薬剤師の給料は幾円にならん。

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