2020年4月22日水曜日

吹上坂、播磨坂、パークタワーの極楽水

小日向の住宅街から茗荷谷に下り、小石川台地にのぼり、春日通を渡って千駄木に戻る途中、いつもの播磨坂ではなく吹上坂を下りた。

初めて通ったら坂の両側にエーザイがあってびっくりした。
存在はよく知っていたが、初めて、偶然出くわした。
六角坂の猫ビル(別ブログ)と同じである。

2020-04-16 吹上坂の南側

吹上坂の北側、エーザイ本社

吹上坂の名は吹上村に由来するらしいが、よく知らない。 
goo地図の明治40年を見れば、吹上坂はクランクに曲がっていた。

昭和7年
戦前には吹上坂はほぼまっすぐになっている。
松平邸は播磨守か?
goo地図の昭和38年になると北に並行していまの播磨坂の通りができていた。

ちなみに、坂上の尾根道すなわち今の春日通りは江戸時代からあり、東都小石川絵図(嘉永7年、尾張屋版)では通り名として「小石川大塚吹上」と書いてある。

1965年ころ坂上から(エーザイ50年写真史)

1968年ころ坂下から。
茗荷谷の丸ノ内線車両基地が見える。播磨坂の桜はまだ小さい。

二枚の航空写真、エーザイ本社の2ブロック下、戦前松平邸のあったところはグラウンド(68年はテニスコート)がある。
今その場所にはタワーマンションが建つ。


小石川パークタワー
地下2階、23階建 1991年8月築  総戸数146戸
築29年3LDK、102㎡で9000万円台のようだ。

このふもとに極楽水の説明版があった。
ここは1415年、了誉上人が伝通院のもととなった庵を結んだところで、泉が湧いていたという。のちに宗慶寺の境内となった。現在の宗慶寺はすぐ下にあり、山号はなんと「吉水山」である。

その後宅地化され泉は消えたが、パークタワーができるとき、公開空地として庭園を整備し、池を復活させた。
このマンションは広い播磨坂にも面しているからこの高さが許されたのだろう。


小石川パークタワーの下(東)のわき道を北に回ると播磨坂に出る。
すっかり葉桜になっていた

2020-04-16
ここに初めて来たのがいつだったか分からない。
学生のころ自転車で通ったかもしれない。
千駄木に来てからは2015年9月に坂を下りている。

播磨坂は真ん中の歩道を歩きたいが、坂の途中では入れない。
坂下まで降りたら吹上坂と合流していた。

播磨坂下。
写真右に吹上坂の標識板が見える。

復元江戸情報地図(朝日新聞社)

播磨坂周辺は、常陸府中藩、松平播磨守の上屋敷であった。
常陸府中の松平というのは水戸徳川家の分家で、染井に墓があり、明治後、その周辺が染井霊園になった。(別ブログ 松戸徳川家と染井霊園)

なお坂下の千川を境に東は水田で播磨田んぼと呼ばれていたとか。



播磨坂の公園のような大通りは、戦後開かれた。
1927年の震災復興計画をもとに、環状3号線とされたが、資金難で一部区間のみ開通しただけでそのままになった。
外苑東通りから播磨坂にきて、植物園の南をけずり、東大地震研と根津神社のあいだS坂あたりを蹂躙し、三浦坂の南、玉林寺をつぶして言問通りに合流するという乱暴な計画だが、まだ計画は廃棄されていないのではないか? (別ブログ 補助92号線の歴史)

播磨坂下から千駄木の家まで2.2キロメートル、
歩いて28分なので「おでかけ」はご近所に分類することにする。


別ブログ
20200420 小日向台から茗荷谷に降りる
20200421 小石川、エーザイ本社の歴史
20191218 上野・本郷、全126坂道の一覧、ランキング 

2 件のコメント:

  1. 初めまして、西片在住のものです。最新の西片だよりに、西片公園リニューアル時、桜を伐採し新しい桜の木を植えるとありました。50年の樹木を伐採、新木を植えるのは費用が理由でしょうか?腐蝕はしていないと思います。色々調べていて、こちちらにもたどり着いたのですが、公園は区立なんですね。西片公園内で移転出来ないとしても、他の公園への移転などは不可能なのでしょうか?ものすごく沢山の思い出があります。どう思われますか?他の西片住民からは声が上がらない、これが他の方の意思なのでしょうか。

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  2. よく存じ上げていないのですが、西片公園の桜を切って新しい木に植え替えるのでしょうか。お役所のやりそうなことです。彼らは給料をもらっているからには仕事をしたいと思っています。ある意味真面目なのですが、必要でない仕事も作る。公園整備などは緑の維持ということで予算を取りやすく、計上したからには使わなくてはいけません。必要なくとも木を切って別の木を植え、歩道を広げたりベンチを代えたりします。千駄木の須藤公園もだいぶ切られて寂しくなりました。公園の木を切るくらいなら個人住宅の生垣や保護指定樹木に補助金を出せばいいのです。歩いて楽しいのは緑のある家が並ぶ街です。
    でも、やはり区役所に住民として意見を言ったほうがいいと思います。彼らも住民の声を聴くのが仕事ですから。

    文京区に特徴的な問題はマンション開発です。あちこち歩けば素敵だった家が更地になりマンション建設の看板が立っています。本来、区は乱開発から町を守らねばならないのに、文京区は業者側です。ブログにも書きましたが堀坂のマンションは根性ある住民がいらしたのか、区の許可した建設を裁判で差し止めました。しかしこれらは例外で、たいていのところは泣き寝入りです。大和郷の本駒込6丁目もワンルームマンションが建設中でした。ブログに愚痴は書きたくないのですが、文京区は特にひどいので散歩から帰るたびに書いてしまいます。西片は素敵な家が多く、いつまでも変わらずにいてほしいと、他の地区にいながら祈っています。

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