高速夜行バスで青森県にきた。
11月2日、
8:15 バスは弘前駅東口に到着。
午前中駆け足のように市内を見たあと、
13:06 弘前発、電車で移動
13:50 青森駅着。
駅からすぐの津軽海峡と青函連絡船メモリアル「八甲田丸」の外だけ見て
14:37 青森駅発、電車で移動
16:08 終点、八戸駅到着。乗り換え。
八戸の市街地は八戸駅にあるかと思ったら、JR八戸線で二駅も離れた本八戸駅だった。
本川越、本千葉などと違って歩ける距離ではない。
青森で切符を買うとき、まだ時間が早かったので、いきなり宿に行くのももったいない。海を見ようと、ホテルのある本八戸を通り過ぎて鮫駅まで切符を買ってあった。
16:22 八戸発
しかしどんどん暗くなり、終点「鮫」に着いたときは真っ暗。
カモメ、ユリカモメ、ウミネコの違いは何か?
16:47 鮫駅に到着
八戸というと、小学校だか中学校のとき社会で新産業都市だと習った。全国では15、長野県では松本諏訪が指定されていた。4大工業地帯に次ぐ工場集積地を作るのが目的だった。
八戸の工業は何であったか知らないが、産業で有名なものは水産業だろう。
八戸港水揚げ高の推移(八戸市公式サイトから)
1966年から3年連続をはじめ、1978、1999、2000年にも水揚げ量日本一になっている。
そういえば1988年ころ、八戸出身の黒沢秀保君は、居酒屋で魚にうるさく、帰省のお土産でもウニの瓶詰など美味しいものを研究室に持ってきてくれた。
その八戸漁港を見てみたかったのである。
八戸港は工業港、フェリー港、漁港を兼ね、漁港は東(久慈、種差方面)から恵比須浜、鮫、館鼻、小中野の4区域に分かれる。鮫駅にはその一つ、鮫漁港とウミネコ生息地の蕪島(かぶしま)がある。
帰りの電車が心配なので、駅で時刻をもう一度確認した。
八戸行きは16:54の次が17:54。
1時間あれば十分蕪島も見られる。
16:53
駅を出るとほとんど何もない。海のほうに歩いていった。
しかし真っ暗な倉庫が並び、人もおらず、どこがどこだかわからない。
16:55
ようやく水揚げ場らしきところに出る。
地図では八戸市第一魚市場とある。
朝は賑やかなのだろう。
いや、先の統計数字によれば、最盛期のころと比べると令和3年は水揚げ量で1988年の18分の1、金額では1982年の11分の1と、驚くほど減少し、壊滅的に衰退している。10分の1、20分の1になったというのは、関係する労働者、企業、必要とする倉庫や施設もそれだけ減ることを意味する。朝、昼間であっても、過去の賑わいはないのかもしれない。
とにかく真っ暗で人がいなくては八戸漁業の実力、景色を見られない。
諦めて蕪島のほうにいく。
16:59
蕪島神社の明かりが見えるところに漁船が何隻か泊まっていた。
過去水揚げが10倍だったということは船も10倍いたということだろうか。
17:02
蕪島に着く。
ここは1922年、わが国で最初にウミネコ繁殖地として天然記念物に指定された。島と呼ばれているが、1942年、海軍が2年がかりで埋め立て、本土と陸続きとなった。いまなら猫が侵入するとか反対されただろう。
ここが軍事的にどういう価値があったか分からない。
日和山くらいの価値だろう。
17:03
神社参拝は8:45~16:50までと書いてある。
社務所の女性が石段を下りてきたので、「参拝」ではなく階段上がって外から神社を見てもいいかと聞くとダメだという。
蕪島神社は2015年未明に全焼、2020年に再建されたばかりだからうるさいのかもしれない。
登り口の木製の柵はひょいと跨げるほど低く、手で動かせるような代物だから上がろうと思えば上がれた。しかし石段脇で島の植物調査をしながら、帰る神社の人と話をしていた女性がいたのでやめた。
神社の正面反対側は埋め立てられ、小さな丘のある公園。
車で来たカップルがいた。誰もいなくて中学生以上、20代くらいまでの良いデートスポットである。
丘に登ってみた。
17:07
八戸港の大きさが分かる。遠くの山は八甲田だろうか。
17:11
神社のわきには親切にもビニール傘がおいてある。
ウミネコが落とす糞を防ぐためだが、糞のついた傘をさすのもやだな。
カモメは後ろ2者を含む総称ではなく、独立した種名でもある。
カモメ、ウミネコはカモメ科 Larus(カモメ)属。鳴き声はカモメのほうが甲高いそうだ。
ユリカモメはChroicocephalus属。伊勢物語・在原業平のミヤコドリはこれという。
また、カモメ、ユリカモメは渡り鳥で夏に北方で繁殖し、日本には冬にやって来る。
それに対しウミネコは留鳥で日本で繁殖する。
真っ暗で見るものもないので、早々に駅に戻った。
17:26 鮫駅
電車の出発まで30分もある。
八戸行きはほぼ1時間に1本、朝夕は2本あるが、反対方向の久慈行きは1日に8本しかない。朝と午前が3本、昼と午後3本、夜2本である。窓口は15:20で閉まる。
待合室には高校生が二人。
ぼーっとしているとゴミ箱がないことに気が付いた。しかし駅はきれい。
弘前城公園といい、JRの駅といい、青森県はゴミ箱がない。ゴミなど各自家に持ち帰ればいいのである。東京は多くの駅から時計をなくしたがゴミ箱を残した。この点に関し、青森県は東京より住民が優れている。
17:54 鮫駅発、八戸行き、高校生がメインの相変わらず空いた電車。
18:10 本八戸着。
市の中心だと思ったら、南口も北口もほとんど商店がなく、暗かった。
北口広場真ん前のセレクトイン本八戸駅前にチェックイン。
いきなり、フロント係のお詫びで始まった。
用意していた禁煙室は空調が故障し音がうるさいという。
「それとは別に、喫煙室のほうですが、消臭剤をかけてご用意しましたが、どちらかにしていただけないでしょうか、5,900円のところ5,000円にさせていただきます」という。
5,000円というのは旅行支援適用の最低宿泊料金である。
「音はどのくらいですか?」
「寝られないという方もおられます。」
見に行ったら喫煙室はやはり臭かった。
祝日前日とはいえ、禁煙室が一部屋も空いていないということはあるのだろうか?そんなに客足が戻ってきているのだろうか?と思いつつ、うるさいという部屋にした。
「それではワクチン接種証明を拝見します」
えっ? しまった!!
出発前に3回以上接種という条件は知ってはいた。しかし、旅行費用の割引はいくらだろう?クーポンはどうやってもらえるのだろう?など、特典のことばかり調べていて、すっかりワクチン証明書のことは忘れていた。
それまで部屋が用意できなかったということで、こちらは偉そうな客の態度だったのが、一転。とたんに立場が悪くなり、下手に出なくてはいけなくなった。
どうしましょう?
家族に証明書の写メールを送ってもらえばいいでしょうか?
と聞いたら、まあ、今回はいいです、と許してもらえた。
最後に1000円の青森県地域クーポンを3枚をいただいた。これは当日とチェックアウト日の2日間で使わねばならないが、明日は盛岡に行ってしまう。
しばらく休んでから夕食に出かけた。
移動の電車でいろんなお菓子を食べていたのでまだ腹は減っていないが、地方は閉店時刻が早い。
ホテルの周りは駅前というのに暗くて空き地が目立ち、店もほとんどない。
クーポンが使える店として調べておいた「俵屋」にいった。
「カウンターとテーブル、どちらがいいですか」と言われ、一人でテーブルを使うのも申し訳ないのでカウンターはどんな感じですか?と聞く。
すると店の奥の、入口に立派な庇のある個室に案内され、引き戸を開けると寿司カウンターの前に立つ板前さん二人とばっちり目があった。ここは無理、とても入れない、居られないと早々に退散。
テーブル席に囲まれた大きな円形テーブルのカウンターがあったので、そこにした。
注文したのはグランプリセット。
19:45
ここと隣の「しんぶんカフェ」は隣の東北新聞社が経営しているのか、新聞社の出版物が目の前に置いてあった。
八戸の目的の一つだった日本一という漁港は見られなかったが、盛んな漁業を十分思わせてくれるサバ、イカ、さらには南部せんべいを入れるせんべい汁という八戸名物に満足した。
(続く)
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