1月8日、初めてクルーズ船に乗った。
私的な旅行ではなく、ダンスのアルバイトである。
2025₋01₋08 15:15
地下鉄みなとみらい線の日本大通り駅から県庁の前を南に歩くとすぐ海に出て飛鳥IIがみえた。
15:19
大さん橋、国際客船ターミナル
隣にも客船がいる。
アプローチは木のデッキ。
ここは2回来たことがある。2013年5月と2015年5月。
この入り口は覚えている。
(と思ったが、競技会で来た大さん橋ホールはもう少し先のほうで、これと入口もそっくりだった。)
国際客船ターミナルの内部
広々して、各ツアーの集合場所、待合い、乗船受付スペースになっている。
10年前に踊った大さん橋ホールかと思うほど、内部は似ていた。
ここで今回、一緒に仕事をするT先生(2012年から飛鳥の専属契約ダンサー)、ベテランのKさん、若いN君と合流した。
我々はスタッフ側なので、お客さんファーストで行動しなくてはならない。
乗客の最後尾について、受付で郵送された乗船券を出し、部屋のカードキーも兼ねる乗船証をもらった。
長々としたタラップを歩いて船長以下、クルーの出迎えを受けながら乗船する。本来私どもは客ではないのだから、ちょっときまり悪い。
さて、私の記念すべき初クルーズは横浜発着、1月8~11日の3泊4日「旅はじめ・名古屋クルーズ」である。
価格は、一番安い部屋で199,000円(2名1室、ひとり分料金)、いちばん高いロイヤルスイートで931,000円とパンフレットに書いてあった。
部屋にASUKA DAILYというA3裏表の船内新聞がおいてあった。
部屋で荷を解き、くつろいでいると避難訓練の案内放送があった。
要するに自分のカードキーに書かれた救命艇のところまで行き、カードキーを見せてスキャンしてもらう。私の救命艇は7階のデッキの上につり下がっていた。ライフジャケットの着用練習などはないから簡単に終わった。
ちなみに部屋番号、救命艇とも偶数は左舷、奇数は右舷に並ぶ。つまり部屋番号が偶数の人は左舷にいるはずで、緊急時はボート乗り場である7階の左舷に行けばよい。
2025₋01₋08 16:45
避難訓練の帰り際、桟橋の反対側に停泊中の三井オーシャンフジが間近に見えた。
今年就航したラグジュアリークラスのクルーズ船である。飛鳥より小さいが、乗客定員458、乗組員330、スペースレシオは約71トン/人、パセンジャー・クルーratioは約1.4。客室数は229室で全客室28平方メートル以上のオールスイート、うち89%はベランダ付きという豪華客船である。
ちょうど韓国、九州、瀬戸内を周るニューイヤークルーズ11日間(ひとり88万~331万円)から帰って来た日のようである。
いっぽう飛鳥IIは、乗客定員872、乗組員が490人、パセンジャー・クルーratioは約1.8。日本(横浜市)船籍だから公用語は日本語だが、クルーは外国人のほうが多い。
ウィキペディアによると乗組員の3分の1弱が日本人、3分の2強が外国人である。
外国人の大半はフィリピン人で、彼らはレストランやカフェ、また在庫部門、客室係として働いている。他にもアジアや欧米各国の出身者がおり、国籍数は20を超えるという。一流ホテルと同じだから、性格か教育か皆感じがよい。言葉に不便がないなら、船旅は外国人が多いほうが非日常感が出て楽しい。
避難訓練の帰り、4人で11階のカフェに行き、腹ごしらえした。
船内の飲食は(アルコールを除き)どれも無料で美味しい。
飛鳥IIは、定刻17:00横浜港を出港。
16:45からSail Away Party、すなわち出航イベントが7階デッキであったらしい。
他の3人はすでに見たことがあったため話題にならず、おいしいハンバーガーを食べていた私は、見るものすべて初めてで、もちろんそんなイベントがあることは知らなかった。
そこで二回目のクルーズ(1/11-13駿河湾周遊)のときは出航パーティを見に行った。
その前にまた避難訓練があり、7階デッキに行く。
避難訓練
16:36
乗船証(部屋のカードキー)をスキャンするだけだからすぐ終わる。
タイタニックの時代とは違って、救命ボートには屋根もついていて、また人が乗ってから降ろすのでなく(映画では落っこちた)、海面に降りたボートに乗るようだ。
このボートは小さな港に本船が入らないとき上陸用としても使うらしい。
避難訓練が終わった後、前回のクルーズで見られなかった出航パーティを見に行った。
同じ7階デッキの反対側(桟橋側)だった。
16:48
場所は救命ボートがぶら下がっているオープンデッキ。
乗客も少しずつ集まり(といっても最後まで少人数)、時間が近づくと制服の男性乗務員が端から端までドラを叩いて歩いていった。現代的なホテルのような船に、時代がかったアナログの演出が新鮮だった。
16:49
ドラを合図にSail Away Drink(シャンパンとホットワイン)がふるまわれ、フィリピンのバンド「ナマナ」が演奏を始めた。
16:54
ボーカルの声も良いので、対岸の大さん橋にも見物人が増えてきた。
なかには「いつか飛鳥に乗ってみたいものだ」と思っている人もいるだろう。
本来私はあちら側の人間なのだが、幸運にも無料でこちら側にいる。
曲調がだんだん派手になって、クルーのなかでも若手の人が音頭を取って盛り上げる。
乗客の中でも手を振り回し踊り始める人が出てきた。
やがて再びドラを叩く乗務員が現れ、17時定刻に出航するようだ。
船の汽笛が鳴ると、バンドの曲はマーチ風の蛍の光に変わった。
女性乗務員の音頭に合わせ乗客は「いってきま~す」と叫び手を振る。
すると桟橋の見物人も(見送り家族かもしれないが)、かなりの人が手を振ってこたえてくれた。
17:02
いつの間にか船が岸壁を離れ、間に海面が見えていた。
最近まで紙テープ(海水に溶けるもの)を投げていたようだが、いまは環境を配慮し、発光スティックを手渡される。これを音楽に合わせ、桟橋の見送り客に振り続けて出航する。
17:03
蛍の光マーチのあと、曲が「聖者が街にやってくる」になり、女性乗務員がリードして乗客はジェンカのように前の人の肩をもって列になって踊り始めた。このまま船が離れないと間が抜けるのだが、割と早く桟橋を離れていった。
17:04
やがて、人々はワイングラスや発光スティックを返しながら、みな船内に入っていった。
私は部屋に戻らず、ベイブリッジをくぐる瞬間を見ようと12階のデッキに上がった。
1月11日の日没は16:47。もうすっかり暗い。
17:17
寒いから早くベイブリッジに行ってほしいと思うが、なかなか船は進まない。
17:19
と思ったら急に近づいた。17:19
遠くの景色は動かないから船は遅いと思ったが、橋がすごい勢いで近づき、飛鳥はかなりのスピードで航行していることが分かった。
時速18ノットとすれば時速33キロメートル
ちなみに1ノットは時速1海里(=1.85km)
1海里は地球の円周を360度で割ってさらに60で割った距離(=1分)である。
40,000/360/60=1.85
17:20
通過する瞬間は船の構造物が橋に激突するのではないかと思うほど近かった。
部屋に戻るため外階段で11階におりた。
17:2011階のプール「シーホース」
向こうの室内はカフェになっている。
次回は船内の様子を書く。
20250116 クルーズ3 飛鳥IIの船内施設
20250113 名古屋港から熱田神宮と古本の伏見書店へ
20250109 クルーズ船と海運会社の一覧
(追記 1月17日)
3回目の出航のときのSail Away Party
2025₋01₋13 16:42
ホットワインとシャンパンの準備
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