3/18 春の穏やかな日、栗橋8:28、東武日光線新栃木行きで静和に向かう。すぐに利根川を渡るのだが、堤防に菜の花が咲いていた。さらに北上、渡良瀬川の堤防も菜の花だった。
以前、アブラナ科は根が大きいから腐るとミミズが繁殖し、それを餌とするモグラも増え、堤防に穴をあけるから菜の花は良くない、と聞いた。
しかし、よく考えると、物語としてはOKだが、サイエンスとしてはまったく実証されていないことに気が付く。
誰か、ほんとにモグラが増えたのを数えたのだろうか。
菜の花のない場所、菜の花のある場所、それぞれ数か所のモグラ生息数、穴の密度、強度に対する影響を計算したか。
どのくらい深くまで穴は掘られ、それが流出した時の堤防幅はどうなるか?
そんなことを考えながら行くと、右(東)側に真黒、巨大な雲が現れた。
電車が進むにつれ、幾筋もの黒煙がのぼり上空で合流しているのが見え、火事ではないことが分かった。何を燃やしているのだろう? 春先の風物詩だった「もみ殻焼き」にしては大きすぎるし、タイヤを燃やしているにしては広範囲すぎるし。
用事を済ませて駅に戻ると、なるほど、ヨシ焼のチラシがあった。
そばまで行けなくとも堤防に登れば、様子だけでもわかるのではないか?
藤岡駅と迷った末、板倉東洋大駅で下車。東洋大と反対側の東口に出るといきなり自然堤防のような段丘がある。そこを上がって青い麦畑の脇を行くと、遊水池の堤防があった。消防車、カメラを持った年配の見物人が数人。
下は運動場であまりヨシ原はないため、近くに燃えている様子はない。
うっすら見える池の、はるか東のかなたに煙が見えた。
専門家が、風向きを見ながら、順に点火していくのだそうだ。
説明を聞いているとき近くで煙が上がった。
炎も見えたが、チラシのような光景は近くに行かねば見えない。
ここからでは迫力あるチラシと大分違う。
参考までに、下に、栃木市のホームページから拝借した写真を載せる。
場所と時間は?
ラムサール条約登録湿地ということで、ここまで歩いてくる道がラムサール通りと名づけられていた。
年に一回焼くと、地下茎で増える丈夫なヨシなどだけが再生するが、焼かないと雑木林のようになる(なってしまう)らしい。
ヨシは葦簀張りなど利用価値はあるが、雑木林の藪では経済的価値はない。でも動物には雑木林のほうがいいだろうな。少なくとも毎年火事で追い回されることはなくなる。
堤防の上にあった遊水池の観光チラシは、埼玉加須、群馬板倉、栃木栃木市と3自治体の共同で作ったもの。
遊水池周辺の観光案内とラムサール条約のことだけ書いてある。
しかし、この遊水池の起源、すなわち足尾鉱毒事件や田中正造、水没した谷中村のことも書いていいのではないか?
一切書いていない。
しかし、ちょっとここで書くには、対象が大きすぎる。
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