2018年5月5日土曜日

ダンスA級昇級の真実

競技ダンスで3年前のスタンダードに続き、本日、ラテンもA級になってしまった。

私の出ているDSCJという団体は6,5,4,3,2,1、D,C,B,A級とクラスがある。A級と言えば一番上だから凄いと思うかもしれないが、実は、大したことはない。

なぜか、説明しよう。

知らない人のために書くと
スタンダード部門というのはワルツ、タンゴ、スローフォクストロット、クイックステップなど燕尾服とドレスの正装で男女が組んで踊るやつ。
ラテン部門は、チャチャチャ、サンバ、ルンバ、パソドブレなど自由な服装、自由なステップで競うもの。

ダンス競技は今、JBDF、DSCJ、JDC,JCFの4つの競技会があるが、主なものは最初の2つで、JBDFのほうがDSCJよりレベルが高い。私はJBDFではC級である。

DSCJの場合、昇級するためには競技会で参加組数の上位10%に入る成績を年間2回あげればよい。
B級である我々の場合、3月4日、すみだ産業会館の競技会で46組中4位になり、5月5日川越総合体育館の埼玉ダンススポーツ大会で46組中5位になった。

http://kyougi.jdsf.or.jp/2018/180307/R180307_02.html
http://kyougi.jdsf.or.jp/2018/180507/R180507_04.html
その結果、年度末のA級昇級が決まった。

さて本題。
かつてA級と言えば、競技選手のあこがれの的で、私などは一生なれないと思っていた。ところが今やDSCJのA級昇級など大したことがない。なぜか?

1 (勝率ではない)
昇級規定では、昇級を決めるのは勝率ではなく、「上位10%の成績をあげた競技会」の回数である。だから、何回も出ていれば勝てる競技会が2回くらいある。
実際、我々は1月以来、7回もでた。
そのうち5回はダメだったということだ。

開催日 主催団体 会場 参加組数 順位
20180106  JPBDA 日暮里・Fプレイス
28
final 5
20180128  NJDC 宮代・進修館 32 2nd 25
20180204  JDSF 立川柴崎体育館 43 3rd 14
20180304  JPBDA すみだ産業会館 46 final 4
20180408  NJDC すみだ産業会館 31 2nd 13
20180429  JPBDA すみだ産業会館 31 smF 7
20180505  JDSF 川越総合体育館 46 final 5

もし、B級の中で上位10%の組を昇級させるというなら、常に、たとえば2回出て2回とも入賞、あるいは7回のうち5回くらいは上位10%に入る組を選ぶべきである。

2 (競技会の増加)
競技ダンスを主催する団体が、彼らの都合で分裂し、それぞれが競技会を開くようになった結果、一都三県まで範囲を広げれば、毎週のように競技会があり、その気になれば、いくらでも出られる。とくに2014年、JDCから別れたNJDCがDSCJに参加したことから、DSCJの競技会が一気に増えた。

2018年度前半の競技会日程 
http://kyougi.jdsf.or.jp/2018/18jdsfcals-1.html
を見れば、その多さが分かる。
教室経営者が中心となっている主催団体も、生徒の減少を補うために、競技会が大きな収益源になっているのかもしれない。

3 (昇級、降級規定の欠陥)
その結果、どんどん昇級し、B級にいた上手い人が皆A級になってしまった。
一度A級に上がると、A級戦に年間5回出て、ミドルシニアA級戦(これはA級よりだいぶ低い)のクラスを維持すると翌年度のA級が保証される。
ミドルシニアのA級維持は、上位40%に入る成績を一度でもあげればよい。
その結果、A級からB級に降格する人がなくなった。誰も落ちなければ、A級のレベルは下がる。さらに、B級から見ると、上手なA級の人が落ちてこないので、B級のレベルも下がる。かつてB級の決勝戦ともなれば、元A級の人か若者ばかりで、我々の入る余地はなかった。
その結果、いまB級戦は、どんぐりの背比べだから、点数の入るときもあるし、入らないときもあるが、出ていれば、年に2回くらい上位に入る。

4 (選手の老齢化と競技人口の減少)
競技ダンス人口が年々減り、新しい人が入ってこない。
その結果、高齢化し、これもレベルが低くなる原因になっている。
C級、D級でも事情は同じだから、どのクラスでもどんどん昇級し、いまやピラミッド型が崩れた。上位級の人数が増え、6級~1級の人などいなくなってしまった。

以上まとめると、
A級で上手い人というのは
1.若者(われわれとは次元が違う)。
彼らはDSCJが頭打ちになったので、JBDFのB級、A級を目指す。
2.シニアでも2013年以前に昇級した人。
である。2014年以降に上がった人でもうまい人はいるが、少数である。

これで中高年のA級(DSCJ)の真実が、よくわかったであろう。

競技選手の高齢化、競技人口の減少が目立つ近年、DSCJだけでなくJBDFまでも昇級条件や、クラス維持条件を緩くしている。選手を降級させたら、それがきっかけでダンスをやめてしまうのを恐れているのだろうか。

しかし、やはり、昇級、降級は厳格にし、上位級ほど人数が少ないピラミッドを維持したほうがよい。A級の権威を守るべきだと思う。私などはAの資格がない。


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