アブラナ科って有名。
いま、うちのミニ畑も多くがこれ。
「アブラナ科」は植物分類にまったく関係ない人もよく使う言葉になっている。
キャベツと白菜の連作障害とか、
根が太いから腐るとミミズが増え、モグラがくるから堤防に菜の花を植えてはいけない・・・
とか。
大きくなった小松菜を生でかじったら野沢菜そっくりの味。
同じアブラナ科の白菜やキャベツとは全く違う。
(小松菜はみそ汁、野沢菜は漬物だったから比較したことがなかった)
科の下には属、種があるから、相当いろんなものがあるはず。
小松菜と他のアブラナ科野菜との距離を知りたくなった。
2019-02-23 小松菜
簡単にアブラナ科というが、調べると
25連に338属もある。
ここにはナズナやワサビは入るが、レタスは入らない(キク科)。
なお、連(れん)とは科の下、属の上。
なじみの野菜が含まれる連を見れば、
Brassiceae DC. アブラナ連に46属230種。
46属のうち馴染みなものを書けば
・アブラナ属 Brassica - カラシナ・ハボタン・キャベツ・ブロッコリー・チンゲンサイ・ミズナ・カブ
・エダウチナズナ属 Diplotaxis - セルバチコ
・キバナスズシロ属 Eruca - ルッコラ
・ダイコン属 Raphanus - ダイコン
など。
そうか、大根とキャベツは属から違うんだ。
カブがダイコン属でなくてアブラナ属とは思わなかった。
2019-02-23 キャベツ(苗)と白菜
ダイコン属は放っておいて、
アブラナ科アブラナ属。
これは30種くらいあり、(この種というのは属の下という意味)
たとえば、
B. juncea - カラシナ、タカナ、ザーサイ
B. napus - セイヨウアブラナ、ルタバガ
B. nipposinica - キョウナ
B. oleracea - ヤセイカンラン、ケール、カリフラワー、キャベツ、メキャベツ、ブロッコリー、ハボタン
B. rapa - アブラナ、ミズナ、カブ、ノザワナ、コマツナ、ハクサイ、チンゲンサイ
などの種がある。
生物というのは属名プラス種名で表すから
キャベツとカリフラワーは同じ種、また野沢菜小松菜白菜は同じ生物種となる(つまり学名同じ)。
同じ種なのに何が違うかというと、変種、品種が違うということだ。
長い年月をかけて、同じ集団の中に見出した変わり種を単離し、それが固定されて栽培品種になったものだろう。
長い年月をかけて、同じ集団の中に見出した変わり種を単離し、それが固定されて栽培品種になったものだろう。
2019-02-25 大根と小松菜
野沢菜は、京都のカブの変種と言われたが(近年遺伝子検査で否定された)、なるほど分類学的にはカブと同じ種だったんだ。
同じB.rapa種の中でも、小松菜、野沢菜は実際近く感じるが、白菜は同じ生物種に見えない。
遺伝子検査のできなかった昔、どうやって種を分類していったのだろう?
まあ、難しかったから分類学という学問ができたのだろうが。
近年になって分類が変わるのももっともな話だ。
ところで、種が同じなら交配(植物は交雑という)できるはず。
小松菜は、キャベツとはできないが白菜、カブとは雑種を作るということか。
もちろん、今から千駄木で新種を作る気はないが、中学生のころ職業として考えたことがある。
農家の長男だったから跡を継がねばならかった。
趣味が盆栽とサボテンだったから普通の子供より土いじりは好きだったが、ただの百姓は嫌だった。須坂園芸高校を出て農事試験場みたいなところで品種改良をしたいと思っていた。
その気持ちは大学進学後もほんの少し残り、理学部植物学教室を希望した。しかし点数が足りなかった。
薬学にしたのは、農業、植物から離れることを決めたからだが、1年半後に研究室を選ぶ際、生薬・植物化学教室にしたのはまだ少し未練があったのかもしれない。
処分せずにとっておいた古い本のうしろに買った日付が書いてある。
「カラー植物百科」は 1976.11.17だから薬学進学に決まったとき買って、
「原色日本野菜図鑑」は 1983.4.21だから長野に帰らずこちらに就職して2年、会社の寮を出て尾山台団地にはいったとき、大宮ステーションビル(現ルミネ)で買った。
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