2017年5月14日日曜日

京都1 丹波口リサーチパーク、双ヶ岡と吉田兼好

5月13日、京都で会議。
駅前のメルパルク、午後からなので10時前に出れば間に合うのだが、家で時間つぶしもつまらない。思い切って早起きして出かけた。
品川発6:00のぞみ。
車中、行くべきところを考えたが、8:02京都に着いても決まらず。
雨である。
出口に向かう途中、右に奈良線のホームを見ながら、そのまま進むと嵯峨野線の案内が目に入った。そのまま降りてみた。
8:26
線路が行き止まりというのは、長崎とか上野とか、なんか風情ある。

ああ、懐かしい。
というのは、2003年11月から2005年10月まで、二週間に1回ほど、つまり50回ほど京都に出張した。行き先が嵯峨野線一つ目の丹波口だったのだ。

駅から西に歩いて5分、大阪ガス京都工場跡地に建った京都リサーチパーク。
京大野間先生が中心となった細胞・生体機能シミュレーションプロジェクト。
製薬企業側研究員として、コンピューター上にバーチャル細胞を作る作業に参加した。オフィスにこもり、一日中、現象の数式化、プログラミング、最適化を繰り返し、生きている細胞の挙動を再現するのだが、私は常駐ではなかったので、貢献度は低い。
ほとんどが20代、30代の中、私は50歳近く。
彼らがヘッドホンで音楽聞きながら深夜まで仕事をする中、私は自分の立場を適切に守った。
当時のことを考えていると丹波口駅到着。
ホームからいつも見ていた青物市場も懐かしい。
車が止まっているのは市場の屋上である。

この近くには島原遊郭の跡があり、東入り口に京都市登録有形文化財の大門や、古い建物が残っている。大門の近くに宿をとったことがあり、朝出かけるとき市場の脇の道路を慌ただしく行き交うフォークリフトやターレットをよけながら出勤したこともある。

降りようか迷っているうちに電車は出た。
次の二条駅もホームの天井が懐かしい。迷ったがおりなかった。

花園駅。ここは一、二度しか使っていないが、景色は覚えている。
降りた。
8:40
ホームから見えていた双ヶ岡。
当時から気になっていたが、近くを通っただけで登る機会がなかった。

9:00
駅に近い南端から上がる。
土曜朝、雨。暗くて誰もいない。
服を着せられたことで辛うじてお地蔵さんと認識できるほどの、横に寝た石。
ちょっと怖い。
足場が悪く、道は川になっている。
すぐに急になってきて、くつが滑るので諦めて下山。
悪路は上りより下りのほうが難しい。
恐る恐る、半分後悔しながら慎重に降りたが、あと少しで平地というところで滑った。
徒然草の「高名の木登り」を思い出す。

そう云えば、この双ヶ岡は吉田兼好がこの山の西麓の庵で余生を過ごし、『徒然草』を著したという。兼好法師といえば京大の東の吉田山を連想するが、家系が吉田神社の神職であったという他は知らない。

やっとのことでふもとに降りると周囲が遊歩道に整備されていた。この道をずんずん北に歩く。誰もいない。


ここに来た目的は古墳を見ることであったが、一番低い三の丘であれだけ苦労したので、登ることはあきらめた。

9:28
脇の川を東に渡ると住宅地。
東山の麓、琵琶湖疎水あたりの住宅地もいいが、こちらも素敵な家が多い。

徒然草といえば「仁和寺にある法師、・・・」という文章があった。
続きは全く思い出せない。
ただ、この「に」という一文字の解説が分からなかったのを覚えている。
高校1年だったな。45年前か。
その仁和寺に行ってみよう。


 20170513 京都5 大徳寺、黄梅院、大仙院
 20170513 京都4 船岡山と平安京
 20170513 京都3 北野天満宮、御土居
 20170513 京都2 仁和寺、御室桜、南下軍


千駄木菜園 総目次

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