そこで奇跡的に出た今年の菜から種を取ることにした。
父親の形見だと思って。
野沢菜の種はもちろん花から取る。
唱歌「朧月夜」の舞台、奥信濃、飯山あたりの千曲川沿いに広がる菜の花は野沢菜の種を取るものである。
千駄木菜園の場合、ちゃんとした株は食べてしまったので、残っているのは細かった不良品。
そのうちに花弁が散って種(さや)ができると思っていたら、意外なことに、どんどん先端が伸び、長期にわたり、花は先の方、先の方へ咲き続けた。そして順に散った花のところに順に鞘ができ、多数の鞘が並ぶことになった。
恥ずかしながら長野の農家の長男として、初めてこの形を知った。
恥ずかしながら長野の農家の長男として、初めてこの形を知った。
2017-04-23
2017-5-27
久しぶりの晴天。枯れてきた鞘が乾いていたので収穫しようと触るとはじけて種がこぼれた。
慌ててそーっと枝ごと切って袋に入れ、種を取った。
10年前の種の発芽率は百分の一以下だった。
長野の種はそれらで絶えてしまうかと思われたが、これで生きながらえた。
しかも、この種は親より優れているかもしれない。
種は自家受精であっても減数分裂、受粉しているから染色体の組み合わせが親と違う。
兄弟同士も異なる。
つまり、この種は10年前の種から発芽率の良いもの、千駄木の土にあったものが選抜されているかもしれない。(それを考えると良い株から種を取るべきだった)
0 件のコメント:
コメントを投稿