2025年8月12日火曜日

秋田港の発電所と竿灯まつり

8月5日朝、例によって起きたらすぐPCをもって11階のEスクエアに上がる。

夜のうちに津軽海峡を通過した飛鳥IIは男鹿半島の沖を南下している。左舷側にいけば陸地を見ていられるが、朝日が入ってPCが見にくいので、右舷のEスクエアから動かない。

7:22 Eスクエア
家にいた時と同じく5時半に目覚めてしまうので、毎朝ここにくる。
PCで動画を見たり、ブログを書いたりしていると、ウェイトレスが来てくれる。
いつものようにカフェラテを頼む。
7:38 パームコート。
乗客は隣のパームコートで朝日に包まれゆっくりお茶を飲んでいる。
せっかく優雅な船旅に来てPCに向かっているような無粋な人はいない。
ダンス講習会やパーティで知り合いになった人と会釈する。

8時から5階で朝食をとり、食後再び11階に上がった。
男鹿半島が見えた。
8:55 男鹿半島
秋田石油備蓄基地が見えるから、半島を南に回り込み東に進んでいることがわかる。

この日は午前中何もない。
劇場で映画でも見ようかと思ったが、ずっとEスクエアで雑誌を見たりしていた。
9時からは日替わりスムージーがでる。この朝のスムージーはブロッコリーだった。

やがて秋田港に着岸。
10:41 秋田港クルーズターミナル。
すぐ後ろにソーラーパネルが大量に並んでいた。
関東で見る屋根の上や畑での太陽光発電とは規模が違う。地図を見ればIP秋田ソーラー発電所第1第2とあった。

反対側に行くとタグボートが飛鳥を押していた。
10:42 反対の日本海側。
風力発電の塔が並ぶ。
材木が並んでいるのも秋田らしい。スギだろうか。
ちなみに秋田は森林面積は全国6位だが、スギ人工林面積は全国1位である。

着岸してすぐ、秋田県の特徴を2つみることができた。
すなわち秋田杉と再生エネルギーである。

日本のエネルギー自給率は13.3%(2021年)と非常に低いことが知られている。
ところが秋田県の自給率は87.9%と全国1位なのである。内訳は、
 太陽光 8.8%
 風力 41.9%
 地熱 18.4%
 小水力 12.9%
 バイオマス 6.0% である。
意外なことに、12階のデッキから見た太陽光発電は思ったより比率が低かった。しかし風力発電は全国1位である。風向きが変わっても常に風車は風上に向くらしい。

11時から上陸できたが、我々は15:00から45分の講習会があり、また港が不便なところにあるため、ひとりで久保田城などへ行くのは諦めた。

昼食は秋田にちなみ冷やし稲庭うどん。
フルコースディナーよりこういうものがおいしい。
午後のダンス講習会の後、早めの夕食(うな重)を食べてから送迎バスで竿灯まつりに出かけた。
8/4. 8/5のアスカデイリー

久保田城の堀端でバスを降り、歩いて竿灯祭り会場に向かった。
夜は竿灯演技が4日間、昼は妙技大会が3日間(予選、決勝)にわたって行われている。
18:57 旭川
歩道は会場に向かう人々でいっぱい。
歩道橋などは閉鎖されているから、警備の人に道を聞くが皆親切だった。
18:59
会場に到着
始まりを待つ竿灯は横になっている。提灯の中は実際のろうそくが燃えているため常に垂直になるような構造になっている。重さで竹がしなっている。

公式サイトを見れば
 枡席 1枡 28,000 円 ローソン大町二丁目店前(1枡定員6名)
 S席 4,500 円 中央道壁上ひな壇席
 A席 4,000 円 上記以外のひな壇席とパイプいす席
 B席 3,500 円 長いす席
であり、飛鳥は乗客にA席を用意した。クルーズ料金に含まれているから無料のように感じ、予約しても来ない人は多い。だから飛鳥の区画はいっぱい空いていた。

区画内の席は1列目が道路面のパイプいす席、2~4列目がその後ろの中央分離帯に作られたひな壇席になっている。私の席は1列目の道路面で、すぐそばで見られた。
M先生が前回飛鳥できたとき、ろうそくの溶けた熱いしずくがご主人のT先生の手に降りかかったという近さである。
19:16
いよいよ始まった。
掛け声が何だったか、書いている今思い出せないが、勇壮にバランスをとりながら継ぎ竹を足して高くしていく。
19:16
写真の竿灯は一番大きい「大若」で、提灯が46個、高さ12メートル、重さ50キロ。
持つには力4分、技6分という。

秋田竿灯まつりは、笹竹などに願い事の短冊などを吊るし街を練り歩き、最後に川に流す「ねぶり流し」が原型らしい。江戸時代になって蝋燭が普及し、お盆に門前に掲げた高灯籠などが組み合わされて独自の行事になったという。
江戸時代後期の寛政年間(1789ころ)には長い竿を十文字にし、それに提灯を数多く吊り下げて、太鼓を打ちながら町を練り歩く形になっていた。

それが大型化すると競争が生まれる。電線が張られるようになって高さが制限された結果が、ただ持つだけでなく、頭、腰などで支えるような曲芸的演技になった要因だろうか。
19:21
となりはヨーヨー世界チャンピョンのトミーさん。
指定券はバスの中で渡されるので一緒に来た人が隣同士になる。

有料指定席でなくても反対側の歩道は自由に市民などが普通に見物できる。8月3日から4日間あること、東京と違ってそれほど見物人が多いわけではないこと(地元は見物人より参加者が多いということ?)などから、指定券がなくともシートに座る人や立ち見など、十分楽しんでいらした。
19:23
中学生のころ、掃除のモップとか、剣道の竹刀、傘など、長いものは何でも手のひらに乗せてバランスをとって遊んだものだった。それと同じと思い、大して期待していなかった。
50キロ12メートルの竿を腰に乗せてバランスをとるのは容易でなく、相当練習しても困難であることは想像できるのだが、見世物としてのエンタメ性はどうなんだろうと思っていた。
しかし、実際近くで見ると迫力があって面白かった。
19:24
東北三大祭りにふさわしい迫力ある雰囲気は、周りの仲間も作っている。
祭りは竿を持つ人だけで成立しているのでなく、交代要員はじめ周りのひとが「右、右、」「ちょい左」とかサポートし、太鼓と笛の囃子、掛け声などが全体を盛り上げている。
お祭り見物は私の好みの対象ではなかったのだが、来て良かったと思った。
お神輿などとは全然違う。
たかが祭りであるが、秋田の印象を高めていると思った。
19:29
右側のほうで竿灯が倒れた。
ろうそくが瞬時に消えた。
倒してしまった人は責任を感じるのか、そうでもないのか、どちらなのだろう?
草野球のエラーのように後の飲み会の笑い話ですむくらいなのか、本人が何日も落ち込むくらい引きずるのか。
19:31
こちらは竿灯ではなく、太鼓の山車に下げてあった提灯がもえた。
短時間に目の前でしばしばあるのだから全体で大小事故は相当発生しているのだろう。

15分程度で演技が終わると順に移動して、違うチームが前に来る。
このとき道路の横断が可能となる。
19:45
祭り遠景。
キャッスルホテルで20:00にタクシーを頼んであるので、会場をあとにした。

あとでトミーさんに聞いたら、我々がいたところにも竿が倒れてきたらしい。
写真をとりましたか、と聞くと、突然でびっくりして両手で自分を守ろうとしたらスマホを落としてしまったという。

タクシーはホテルからクルーズターミナルまで3980円。M先生が払ってくださった。
この日21時からのダンスパーティはほとんど参加者がおらず我々4人は手持無沙汰だった。

(続く)

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