2026年11月4日水曜日

クルーズ8 久しぶりの飛鳥II。種子島と屋久島の比較

10月29日、昨年夏以来、久しぶりにダンス講師として飛鳥に乗った。

3回ほど乗って物珍しさがなくなったのと、優雅な船旅というのが、あくせく色んなものを見て回るという私の旅スタイルに合わないことで、以後のお誘いを断わっていた。
他にもダンス講師の候補はいっぱいいるみたいだから一度断わるともう誘われないと思っていたら、また連絡がきた。
寄港地に種子島や五島列島、小豆島など行ったことのない場所があり、また1年行かないと船旅が懐かしくなってくる。朝日を浴びながらすすっていたカフェラテや朝食の焼き立てアンパン、おやつのビーフハンバーガーなどもう一度食べたくなって、OKした。

日本大通り駅で降りて大さん橋まで歩いていくと、家並みが切れたところで飛鳥がみえた。懐かしかった。
飛鳥II(左)の隣に大きなクルーズ船がいた。

後で調べたらセレブリティ・ミレニアムのようだ。

項目セレブリティ・ミレニアム飛鳥II
船籍・運航マルタ共和国(アメリカ系)日本(郵船クルーズ)
総トン数約 91,000トン50,444トン
全長294メートル241メートル
乗客定員約 2,138〜2,218人872人
クラスプレミアムクラスラグジュアリークラス

大型なためゴージャスな施設で、乗客定員を増やしたぶん価格も飛鳥より抑えられている。
15:22
出発前の12階から

乗船は一般客より早い14:30だったが、まだ部屋の準備が終わっていないというので、今回初めてというSさんに船内を案内したりして適当に時間をつぶした。12階から見る横浜というのも初めてかもしれない。

今回はクラブツーリズムのチャータークルーズのため、飛鳥IIの公式サイトには出ていない。
飛鳥(郵船クルーズ)からも旅程が送られてこないので、旅行会社のサイトを見た。

10月30日
一日航海。
太平洋側を潮岬、室戸岬などを見ながら種子島に向かう。
2026-10-30 12:36
この日のお昼はうな重。美味しいがご飯が少ない。
足りない人は11階のブッフェで和洋中各種料理を好きなだけ食べればいいのだが、鰻と一緒にほおばるというのがしたいのだ。

午後のトークショーは宇宙飛行士の野口さんだった。
今回のクルーズの種子島は宇宙センターがあるからだ。
18:11
夜のショーは米良美一

米良氏というのは、種子島からのオプショナルツアーで屋久島に行く人が多いためだろう。すなわち彼と言えばもののけ姫のテーマ曲である。物語の舞台は本州のどこかであろうが、シシ神の森を描くためにジブリのスタッフは屋久島に5泊6日のロケハンを行った。

一曲目からその「もののけ姫」を歌ってくれた。
来年はもののけ姫30周年だという。彼は26の時にうたって今56歳。
その年齢によるものか、声の伸びが昔のようではなかった。いや、今でも素晴らしいのだろうが、30年前が素晴らしすぎたのである。

彼は自虐的に、これ1曲しかありませんといった。他人のふんどしで相撲を取るんです。私はクラシック歌手ですから、昔から歌われている素晴らしい曲を歌い継いでいきますから、どうしてもオリジナルがないんです。今回も人の歌を歌います。とのことだった。
・・・・

この日は夕食後21:00から23:00まで2時間、ダンスパーティでお客の相手をし、終わってから夜食を食べに11階に上がった。
2026-10-30 23:08
写真を撮るため、取りすぎた。明日の朝気持ち悪くなるかもしれない。

10月31日
朝起きると種子島だった。
2026-10-31 6:51
ベッドからは海しか見えない。
少し夜明けが遅く感じるのは西のほうだからか。
12階(屋上)に上がった。
2026-10-31 7:17
港は西向きで、陸側のほうから日が昇る。
西之表港である。
西之表はすなおにニシノオモテとよむ。沖縄先島諸島の西表島はイリオモテジマだから、どっちかなと思った。両方とも夕方太陽が沈む(イル)西だから、どっちだろうと思って乗船した。
7:19
反対の海側に歩いていくとうっすらと陸が見えた。
大隅半島にしては近すぎる。しかし建物らしきものがいっぱい見える。
スマホの地図を見たら馬毛島(まげしま)だった。
どこかで聞いた名前だ。

朝食後下船した。
8:40
港は埋め立て地のような殺風景。
歩くと高速船乗り場があった。
8:43
宇宙関係は南の端だ。
少しでも緯度の低い、東向きの自転速度が大きいところを選んだか。

種子島は三分して北から西之表(にしのおもて)市、中種子(なかたね)町、南種子(みなみたね)町である。二つの町は熊毛郡であり、この郡は種子島と屋久島を郡域とする。(ちなみに周防南部にもこの名の郡がある。)

子供のころ、種子島をタネガシマと読むとき、「種」一文字でタネと読むから「子」をガと読むのかな、と考えたことを思い出す。そのうち「子」は十二支の「ネ」だからタネの「ね」も思わせ、では種は「タ」になってしまうではないか、なんて考えたのは60年以上の昔。
人生って長いようで短い。
8:43
隣の平屋の高速船乗り場に入ってみた。
8:45
屋久島へは午前、午後に、それぞれ宮之浦、安房に1本ずつ、つまり1日4本行っている。
鹿児島へは午前3本、午後2本である。
スタッフを募集していた。「高速船が無料!」というのがウリだ。

その料金はいくらなのだろう?

8:45
なんと屋久島まで片道6,200円。
鹿児島の南に仲良く2つ並んでいるから簡単に行けると思っていた。
しかし値段は新幹線で長野に行くようなものだ。
そして鹿児島までは片道12,000円である。
これはちょっと簡単には乗れない。
鹿児島のデパートへ洋服を買いに、とはできない。

ここで不思議に思ったのは、料金表が行きと帰りで二段になっていることだ。
種子島→鹿児島、鹿児島→種子島 が別だ。両方とも12,000円だから分けて書く意味がない。ところが往復運賃が違った。種子島で往復を買ったほうが少し安いのである。つまり島から行って帰ってくる人は、その反対より安い。
もっと表を見たら隣に「有人離島割引」というのがあった。島民カードを提示すれば12,000円が7,600円になる。これは「有人国境離島法」(2017年~)で定められた71島に適用されるらしい。

一つ新しいことを知った、と振り向いたら飛鳥のお客様がいた。
聞けばこれから屋久島に行くという。
今回の飛鳥はクラブツーリズムのチャーターで、クラツー社がオプショナルツアーを用意した。屋久島1日コースは38,000円だったという。それなら船の往復12,400円に、屋久島では4人でタクシーチャーターしたほうが安いという。年を取るとお金はあっても万事億劫になるから安易なほうを選ぶが、こういうことを考えるのは感心だと思った。しかし次の屋久島便は9:30であと45分もあるではないか。時刻までは調べられなかったか。

さて、東京のわれわれは屋久島と種子島をセットで考え、近いものと考えているが、実際は片道6,200円もするのだ。

この両島は何かと並べられるので、ここでまとめておく。


種子島屋久島
行政区分西之表市・中種子町・南種子町屋久島町
人口〔国勢調査2020〕27,692人11,858人
島の面積〔2025〕443.67 km²504.25 km²
島の形・地形南北に細長い。海岸段丘と緩やかな丘陵が主体ほぼ円形。急峻な山地が主体
最高標高283 m(花野峯)1,936 m(宮之浦岳・九州最高峰)
耕地面積〔2024〕8,320 ha(83.2 km²)942 ha(9.42 km²)
耕地率18.4%1.7%
林野率53.6%89.9%
主な農畜産物サトウキビ、サツマイモ(安納など)、米、茶、肉用牛・乳牛タンカン、ポンカン、茶など
産業上の特色農畜産業と関連加工業。宇宙センターに関連する事業・観光もあり自然を生かした観光・宿泊・ガイド業。農業は沿岸部で展開
年平均気温19.8℃19.6℃
年間降水量2,532 mm4,651 mm。山岳部はさらに多雨
主な観光資源種子島宇宙センター、鉄砲伝来の史跡、海岸景観世界自然遺産地域、屋久杉、登山・森林散策
航空アクセス鹿児島便が基本。鹿児島空港から約40分。伊丹便は季節運航鹿児島・福岡・伊丹から直行便。鹿児島空港から約35~40分
鹿児島港からの高速船西之表港まで直行便で約1時間35分宮之浦港まで直行便で約1時間50分
鹿児島港からのフェリー約3時間30~40分約4時間



面積では似たようなものだが(屋久島のほうが少し広い)、種子島のほうが人口はずっと多く、農地は10倍近くあるのだ。

・・・・・

高速船乗り場のとなりはフェリー乗り場の建物だった。
こちらには観光案内所もあるようなので入ってみた。
8:53
鹿児島港までのフェリー料金は最低が16,000円だった。
(運転手一人まで含む)
同乗者は一人5,500円だから高速船より安い。ペット3,000円。
8:56
次の出発は12:10だから誰もいないはずだが、老人が一人スマホを見ていた。
とりあえず降りてみたという飛鳥の客だろうか。

西之表市の中心に向かって歩いていく。
唯一の市、西之表市の中心部だから島一番の都会のはずだが、ひとがいない。
9:05
「私たちは反対です」
馬毛島への米軍施設に反対する市民団体連絡会

そうだ、飛鳥の屋上からかすかに見えた小さな島に過剰な建設ラッシュは防衛省、米軍施設だったか。
以前ニュースでやっていたけど、どうなっているのだろう。

無人島であるため、公共事業(石油備蓄、放射性廃棄物保管、防衛関連)などをあてにして、島を買い占めた会社が高値売却を狙ってごねていたこともあり、国にとっては平和活動家の反対以外にもいろいろ問題はある。
9:06
港周辺は低く平坦だが、突如として崖があり、その崖の上はまた平たんになる。
これは平らな海底が隆起して、波に削られ崖となり、さらに再び隆起してその下にも平らな地面ができたという海岸段丘の典型である。

崖を上がった左手に鹿児島県熊毛支庁があった。
前に書いたとおり、種子島と屋久島をその郡域とする熊毛郡だけでなく、1958年発足の西之表市も担当区域で、庁舎がここに置かれているのだろう。

両方とも県の下にある郡と市は、どちらが偉いのだろうと考えた。
郡役所があった昔は郡の中の一部が合併などして市になっても、母体の郡のほうが偉かったような気もする。しかし今、行政機関(首長、議会、役所)は郡になくその下の町村にあり、また市ばかりになって郡の面積もへってしまった。郡というのは地域名に過ぎず、歴史的な飾りのようになっている。

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